パティシエ 坂下寛志 Pâtissier Sakashita Hiroshi

【プロのパティシエレシピ】 『マドレーヌ』 1

      2016/06/08

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みなさん、こんにちわ。
坂下寛志です。
トゥルモンドの『マドレーヌ』の作り方を、公開します。
トゥルモンドのマドレーヌの特徴は、
・ある程度、日にちを経ても固くならないマドレーヌ。
・アーモンドプードル(アーモンドパウダー)が入った、
 味に深みのあるマドレーヌ。
です。

材料

全卵
卵黄
上白糖
グラニュー糖
トレハロース
ゲランドの塩
薄力粉
強力粉
アーモンドプードル
ベーキングパウダー
蜂蜜
無塩バター
レモン表皮
バニラパウダー
 (バニラを乾燥させて、フードプロセッサーで、パウダーにしたもの。)

分量はこちらでどうぞ

小麦粉、砂糖、卵を合わせる。

まずは、薄力粉、強力粉、ベーキングパウダーを一緒にふるい、
ボールに入れます。
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ここでふるう意味は、『万が一の不純物を取り除くため』です。
ダマにならないよう空気を含ませるなどでは、ありません。

そのボールに、グラニュー糖、上白糖、トレハロースを加えます。
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グラニュー糖は、さっぱりとした甘さを。

上白糖は、コクがある甘さと、
その吸湿性で、焼成により失った水分を戻す役割を。

トレハロースは、
デンプン老化防止作用により、時間を経てもデンプンが劣化するスピードを弱め、
柔らかな食感を維持する為に、配合しています。

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次に、
全卵と卵黄を入れたボールに、
ゲランドの塩を入れ、
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混ぜながら、直火または湯煎で、加熱します。
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塩を溶かすためと、
後で、溶かしたバターを入れる際に、乳化しやすいようにするために、
温度を上げます。
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目安は、27~29℃くらいですが、
高過ぎでも、低すぎでもなければ、問題ありません。
25~35℃くらいでしょうか。
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卵と粉の用意ができたら、混ぜていきます。

卵に粉を入れるのではなく、
粉に卵を入れていきます。

小麦粉と砂糖をすり合わせておきます。
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小麦粉が水分を急激に吸い、ダマになるのを防ぎます。
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少量の卵をいれ、混ぜます。
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少しまとまったら、
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また、卵を入れます。
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この工程を何度か繰り返し、
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なるべく少ない卵の量で、生地を作ります。
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できたら、力を入れて、しっかりと混ぜます。
少ない卵の量での生地なので、
生地が重たく、ダマもつぶれ、グルテンも出やすくなっています。

粉に卵を入れていく理由は、
このように、しっかりと混ぜることができ、
ダマもなく、グルテンもしっかりと出すことができるからです。

『グルテンをあまり出さないように』するマドレーヌもありますが、
トゥルモンドのマドレーヌは、しっかりとグルテンを出します。

グルテンがあることによって、ふっくらと膨らむのですが、
あまりに多いと、弾力がありすぎて、
ゴム固い食感になってしまいます。

ですので、混ぜすぎないレシピも存在しますが、
トゥルモンドのレシピでは、
小麦粉の分量が少なめの為、
しっかりとグルテンを出さないと、ふっくら膨らまないのです。
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しっかりとグルテンを出したら、
残りの卵も混ぜ合わせます。

次回は、アーモンドパウダー、バターを加えていきます。

レシピの最新版を公開しています。

https://note.mu/sakashita

 - マドレーヌ レシピ