パティシエ 坂下寛志 Pâtissier Sakashita Hiroshi

「保存料は使っておりません。」

      2016/09/11

みなさん、こんにちわ。坂下です。
お店の最新情報は、facebookに載せているので、
そちらを参考にしてください。

ブログのときは、より細かい情報や、
最新情報以外のことを、なるべく載せていくスタイルとしていきます。

さて、当店のお菓子は、保存料を使っておりません。

なんだか、素晴らしい事のような発表ですが、
この業界に入ってから、一度も保存料に触れたことがありません。
そう、業界では『当たり前』のことなのです。

細菌の増殖を防ぎ、賞味期限をある程度延ばす目的なら、
「脱酸素剤(お菓子の袋に一緒に封入される、小さいカイロみたいなもの)」で、
事足りてしまうからです。

脱酸素剤を入れるのは、保存料を入れていないから、と言えます。
(脱酸素剤には、他にもメリットはありますが。)

ですので、
「当店の○○には、保存料は一切使用しておりません」と言う文言を見ると、
何の理由で、宣言しているのだろうと、勘ぐってしまいます。
『一切』と付けていると、余計に、です。

「保存料を一切使用していない、本物の●●」なんて、自店の以外は、偽物みたいな言い方ですよね。
そう思わせる為の言葉です。

Sponsored Link

他にも、
「保存料、合成着色料の使用はしておりません。」
「無添加です。」
この2つにも、違和感が出ます。

前者は、他の添加物の使用はしてるかも、という事ですし、
後者は、何を持って添加物と捉えているか、疑問だからです。

「無添加」という事は、「国が定める食品添加物を添加していない」という事で、
自分が添加しないことはもちろん、
添加されていない材料のみを使用するという事です。

この「食品添加物」を正しく理解できているのでしょうか。
香りを付ける為に添加すれば、「香料」扱いとなり、
固める為に添加すれば、「ゲル化剤、凝固剤、等」の扱いとなります。

バニラ、レモン表皮、ゼラチンなどは、全て「食品添加物」です。
(ゼラチンは「一般飲食物添加物」として指定)

また、多くのお店で使用されているチョコレートのほとんどは、乳化剤、香料を使用しています。

たくさんの材料で食品添加物は使用されています。
これらの材料を全て除外すると、使用できる材料は、ごくわずかとなるでしょう。

おのずと作れる味、お菓子の種類、価格などに、大きく制限が出てくるはずです。
なので、しっかりと理解され、本当の意味で「無添加」にされている方は、
もっともっと評価されていいと思います。

されないのは、安易な「無添加」という宣言が氾濫しているからでしょう。

ここまで来てですが、食品添加物を推奨しているわけではありません。
添加しないに越したことはありません。

添加しないと作れない食品(豆腐、コンニャクなど)や、
それらが必須なもの(乳児用ミルクなど)は除きますが。

私たち販売者側がするべきことは、知識を深め、しっかりと正しく表示し、
消費者に正しく説明できるようにすること、だと思います。

どこまでが安全で、どこからが危険か。

そして、材料を作る方々も、知識を深め、よりよい材料を作っていってほしいと思いますし、
それを強く求めます。

昔、香料会社の営業さんが、自社のバニラペーストを持って、
「天然のものだから、食品添加物になりません」と言っていたのが、衝撃でした。

最後に、やっぱりこういう雰囲気になってしまうので、
多くの場合は「触れない、言及しない」が、良いんだろうな、と思います。

でも、こうして伝える事もしないと、
「無添加」に踊らされる方も多くなりますし、
しっかり勉強しないと、
安全だからどんどん添加してしまえ、みたいな製造者も出てくるでしょうしね。

ちなみに、
トゥルモンドでは、ショートニング、マーガリンの使用はありません。
トランス脂肪酸に対しての配慮です。

トランス脂肪酸も、完全悪というわけでは無いのですけれど、
それらの材料が、特に美味しくも無いので、使用していません。
合わせて読みたい→農林水産省/すぐわかるトランス脂肪酸

3つ

トゥルモンドでは、パティシエ正社員を募集中です。

・販売員の募集は、現在しておりません。

詳しくはショップの募集ページまでどうぞ
各レシピ分量の最新版を公開しています。

【公開レシピ一覧】

・『リモーネ アマルフィ』

・『ティラミス』

・『フェリシテ』
【トゥルモンド ニュース】

・『シュキュラン』が限定価格¥270→¥200。

・『テリーヌ ショコラ』が限定価格¥1,950→¥1,500。店頭でも。

販売ページ

 - 素材