パティシエ 坂下寛志 Pâtissier Sakashita Hiroshi

『ガレット ブルトンヌ』を考える 1

      2016/06/11

プロの『ガレット ブルトンヌ』
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シェフによって違う方向性

私個人の『ガレット ブルトンヌ』の定義としては、
下記2点です。

・厚焼きサブレであること(※本場では、厚くない)
・ゲランドの塩を使っていること

この最低限の2点を守って、他のシェフより美味しいものを、と考えています。

シェフによって、
・塩の利かせ具合
・発酵バターの使用・不使用
・香りづけはバニラかラム酒か
・焼き型はセルクルかカップか
などの違いがあります。

ガレットブルトンヌの使用材料

・バター
・砂糖
・ゲランドの塩
・卵黄
・小麦粉
・ラム酒またはバニラ

これだけです。
非常にシンプルです。

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なぜカップに入れたり、セルクルに入れて焼くか。

普通のサブレのレシピよりバターが多い為、
そのまま焼くと、焼き広がってしまい、薄いものになってしまいます。

その為、セルクルなどの型で、広がらないようにします。
セルクルでなく、アルミカップを使用される方もいらっしゃいます。

サブレは焼いている間に、ある程度、油が外に出てしまいます。
ガレットブルトンヌは、普通よりバターが多い為、
より多くの油が出てきます。

その油も、すべて旨味と捉えて、アルミカップを使用されている方もいらっしゃいます。

しかし私は、出てしまった油を再吸収させたくないので、
セルクルを使用し、
焼き上がり後、紙で油を吸い取っています。

手間はかかりますが、その方がサクサクして、美味しいと思います。

発酵バター

それで、そのバターなのですが、
配合中の割合が大きいので、
使用するバターで、風味がまるっきり変わります。

私は現在、よつ葉の発酵バター:よつ葉の無発酵バター=2:3の割合で作っています。
スタッフと売れ行きの反応を見つつ、
発酵バターの割合を少しずつ増やしています。

発酵バターの風味は好きですが、
苦手な方も結構いらっしゃるので、慎重に増やしてきました。
使用する菓子を間違わなければ、コストに見合った味わいがあります。

つづく。

レシピの最新版を公開しています。

https://note.mu/sakashita

 - ガレット ブルトンヌ