パティシエ 坂下寛志 Pâtissier Sakashita Hiroshi

マドレーヌの生地を休ませた方が良い理由(追記有り)

      2016/06/08

_MG_0363
マドレーヌを作った後、
休ませてから焼くのか、
休ませなくても焼いて良いのか、
意外と迷うところですよね。

その「なぜマドレーヌの生地は休ませるか?」という問いに、
ひとつの答えを出したいと思います。

休ませるメリット

生地を休ませることにより、以下のメリットが出ます。

1.グラニュー糖などの糖類が、しっかり溶けきる。

粉糖を使えば良いのですが、通常の製法はグラニュー糖です。
トレハロースや上白糖、きび砂糖を使う方もいらっしゃるでしょう。

休ませてみるとわかるのですが、
底部分の生地が緩い時があります。
これは、溶けた糖類が溜まっている状態です。

2.形成されたグルテンの力が弱まる。

小麦粉のタンパク質により出来上がったグルテン。
しっかりと膨らませるためには必要なのですが、
強すぎるグルテンは、ベーキングパウダーなどの膨らむ力を、押さえつけてしまいます。

3.焼き型から、はみ出さなくなる。

生地が緩すぎると、焼き固まる前に、どんどん広がってしまいます。
型からはみ出して不恰好に焼きあがります。

この3点です。
「良く膨らむようになるから、休ませた方が良い」というのは、
主に2番の理由からです。

Sponsored Link

休ませるデメリット

休ませることにより、考えられるデメリットは以下の通りです。

1.雑菌が繁殖する。

出来上がった生地は、細菌にとって、ちょうど良い環境です。
ですので、休ませる時間が短いなら、常温でも構いませんが、
一晩よりも長い場合には、比較的涼しいところや、冷蔵庫が良いかもしれません。

2.ベーキングパウダーの力が弱まる。

一般的なベーキングパウダーは、水分と結合すると反応を始めます。
焼成中に一番効力が発揮されるように調整してあるのですが、
冷凍状態でも反応は止まらないそうです。

ですので、同じ生地でも、休ませた時間の長さで、
多少の膨らみの違いが出ます。
膨らみの違いは、グルテンの強弱などにもよるので、
一概にベーキングパウダーの効力の違いとは言えません。

作業上、1時間休ませて焼いていたものを、
一晩休ませることになった場合は、
ベーキングパウダーの量の増加を検討しても良いでしょう。

追記
「反応が始まる」ので、効力が弱まるという訳ではありません。
確かに弱まるのですが、上記のとおり、焼成中にガスがたくさん出るように、
ベーキングパウダーは、調整してあります。

ベーキングパウダーの種類にもよりますが、例えば60℃以上から最大効力を発揮する、
みたいなイメージです。

60℃以上だと100%発揮し、
30℃以下だと1%しか発揮しない、ような感覚です。

なので、長期間焼かないで置いておけば、置かないものより違いは出てきますが、
多少休ませる程度には、違いがあまり出てこない、と言えます。
違いが出るのはむしろ、製法のブレの方です。

マドレーヌを休ませる?休ませない?

上記のメリットとデメリットをみて、
休ませた方が良いのだろうな、という気がします。

しかしながら、一晩なんて待ってられないし、
出来るだけ早く食べたいという方もいらっしゃるでしょう。
プロの方も、サイクルは早い方が良いですよね。

という訳で、次回は、焼くタイミングについて説明したいと思います。

マドレーヌの生地は、どれだけ休ませれば良いのか。

3つ

トゥルモンドでは、パティシエ正社員を募集中です。

・販売員の募集は、現在しておりません。

詳しくはショップの募集ページまでどうぞ
各レシピ分量の最新版を公開しています。

【公開レシピ一覧】

・『リモーネ アマルフィ』

・『ティラミス』

・『フェリシテ』
【トゥルモンド ニュース】

・『シュキュラン』が限定価格¥270→¥200。

・『テリーヌ ショコラ』が限定価格¥1,950→¥1,500。店頭でも。

販売ページ

 - マドレーヌ レシピ, 製菓理論 ,