パティシエ 坂下寛志 Pâtissier Sakashita Hiroshi

ブランデーケーキ・ラムケーキのススメ 1

   

_MG_4301東京のパティスリーでは、意外と見かける事が少ない、
ブランデー・ラム酒ケーキ。
トゥルモンドでは、
常時、ケーク・ロム(ラム酒のパウンドケーキ)を販売しており、
イベント時などに、
ケーク・アルマニャック(ブランデーのパウンドケーキ)を販売しております。
※アルマニャック=フランスのボルドー地方南に位置する、
アルマニャック地方で作られるブランデー

今回は、ケーク・ロムの作製風景をお見せします。
ケーク・アルマニャックも、作り方や生地は同じです。

ラム酒のシロップに負けない生地

_MG_4269一般的に、ブランデーケーキの生地は、
パウンドケーキでありながらも、
ふんわりしたタイプが多いように思われます。
カステラみたいな四角い形も多いですね。

2つ意味がありまして、
1つは、山型だとカットする場所によって、大きさが変わってくるから。
もう1つは、お酒自体に原価が多くかかる為、
生地はふんわり嵩を出したいから。

ふんわりとさせると、口どけは良いのですが、
良すぎて食べ応えがありません。

そこで、トゥルモンドでは、ケーク生地を、
ふんわりさせないものにしました。

製法は溶かしバター

_MG_4258製法は、バターを泡立てるタイプではなく、
溶かしてしまうものを採用しました。

泡立てることで、気泡を含み、
ふんわりとしたケークが出来上がります。
ですので、溶かしてしまえば、
スポンジのようなふんわり感は、全くなくなります。

とはいえ、ガチガチになる訳ではありません。
溶かしバターの製法で言えば、マドレーヌも同じ製法です。

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宝傘ドゥノール

_MG_4236使用する小麦粉の一部を、増田製粉所・宝傘ドゥノールにしています。
この小麦粉は、北海道産の小麦を使用しております。

元々、国産の小麦は麺用。
適度な弾力(もっちりした感じ)を表現できます。

ドゥノールは、増田製粉所の技術で、
グルテンの形成を抑えてあります。

ですので、製菓用でも扱いやすく、
かつ、もっちりとした食感を生み出すことが出来ます。
増田製粉所・宝傘ドゥノール 商品ページ

食感のまとめ

ぐずぐずしてしまう、もろい仕上がりではなく、
しっかりとしつつも、しなやかで、
口どけの良い食感です。

次回は、美味しさについて追究していきますね。

レシピの最新版を公開しています。

https://note.mu/sakashita

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