パティシエ 坂下寛志 Pâtissier Sakashita Hiroshi

【質問・回答】イタリアンメレンゲを、ムースなどに加える理由。

   

_MG_6757質問を頂きましたので、回答したいと思います。

イタリアンメレンゲについて質問があります。

ムースにイタメレを入れるレシピがよくありますが、あれはどういった意図で入れているのでしょうか?

個人的な感覚としては離水しやすくなるイメージがあるのですが、いまいち入れる意図がよくわかりません。

また加える際、どの程度立てれば良いのでしょうか?

冷めるまで泡立てるとよくレシピ本には書かれていますが、冷めるまで立てていると流動性のない固いイタメレが出来上がり、さすがにこれは失敗じゃないかと思っており、いまいち感覚がつかめません。

お時間が許す時でいいので、イタメレについて詳しく教えていただけたら幸いです。

ムースにイタメレを入れる意図は、軽さを出す為です。

フルーツのピュレとホイップした生クリームを加えると、ムースが出来あがります。
ただこれですと、生クリームの乳風味が強くなりすぎることがあります。
それで、一部をメレンゲに置き換えることにより、乳風味は減らし、軽さを出すわけです。

トゥルモンドでは、フルーツの味をできるだけ多く加えたい為、生クリームの量が少ないです。
ですので、乳風味を減らす必要がなく、イタメレを加えるムースは、現在使用していません。

とはいえ、別に否定しているわけではなく、必要であれば、私も加えるでしょう。

離水はしやすくなると思います。
比較したわけではないので、絶対にとは言えません。

メレンゲを入れなくても、離水するものは結構あります。
果肉が少なく、水分がメインのフルーツがそれですね。

水分を保つのは、乳脂肪とゲル化剤です。

生クリームを減らすと、乳脂肪分が減ります。
また、メレンゲは生クリームより硬さが出るので、ゲル化剤を減らす事に繋がります。

この2点により、離水しやすくなるのではないか、と考えています。

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メレンゲの立て具合は、人によって様々ですが、私はまだほんのり温かい状態でミキサーを止め、ボールに移して、冷蔵庫で冷やします。

流動性は、どの立て具合でも、冷やしてしまうので無くなります。
しっかり冷やしたメレンゲに、ピューレや生クリームをダマが出来ないよう加えて、ムースに混ぜ合わせていきます。

全く気泡を壊さずに混ぜようとするのは難しいので、多少潰れる前提でのレシピ構築の方が、安定します。

ムースにおけるイタメレの有無は、センスが出る部分だと思っています。
入っている・入っていないで、結構食感も違います。

それで、作り手の意図が分かる時と、わからない時があります。
悪い意図もごくたまにありますが、食感のコントラストなどを表現していたりすると、敬意を抱きます。

わからない時は、それによって、味がただ薄い・ぼやけている時ですね。
ムースはメレンゲを入れるもの、という前提から作っているのでしょうか。

そんな訳で、ケーキを食べる時、そういう意図を感じてみてほしいと思う一方、
分解しながら研究者のように食べないで、ただケーキを味わう事を楽しんでほしいと、思ったりもするのでした。

【合わせて読みたい】
・イタリアンメレンゲは殺菌できているか

3つ

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