パティシエ 坂下寛志 Pâtissier Sakashita Hiroshi

【経験0~3年向け】ケーキ屋さんの電話応対 1 (ケーキのご予約)

   

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洋菓子店従事者向けに、電話応対の話をしていきたいと思います。
今回は、『ケーキのご予約時』です。

まず、お伺い、ご説明する内容の順番です。

『ケーキのご予約時』
1.日時
2.ケーキの種類とサイズ
3.メッセージ内容
4.オプション
5.名前と連絡先
6.その他説明事項
7.不明な点などの質問

「日時」と「ケーキの種類とサイズ」

初めに、この2点を伺います。
名前などよりも、先です。

定休日が有ったり、用意のできないケーキがあれば、この時点で再考頂く必要があるからです。

電話が切れた場合などを想定し、連絡先を先に聞く、という考えもできます。
しかし、電波が悪い、バッテリーが切れたなど、切れる原因は、ほぼお客様の方にあります。
ですので、こちらから掛け直しても、上手くいかない場合が多く、両方から掛け合う事もあるので、待つことが最適かと思います。

「メッセージ内容」

「おたんじょうび おめでとう」など、メッセージプレートの内容を伺います。
電話予約のミスの、半分はここで起こります。名前の間違いです。

最近は難しい名前や、珍しい名前も多いので、注意が必要です。
「ともか」だと思っていたら「とのか」だったりします。

電話ではお互い聞こえづらいので、ゆっくり「とー、もー、か」と言っても無駄です。
そこで、単語を使った、五十音確認をお勧めします。

とびらの「と」、ももの「も」、かいだんの「か」、などです。
トゥルモンドも、この方法に変えてから、名前で間違う事が、ほとんど無くなりました。

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「名前」と「連絡先」

ご注文者名は少し間違えていても、あまり問題が起きないので、五十音確認までは必要ありません。
(引取り時に、電話番号での確認もしている為。)

連絡先は、緊急時に繋がらないと大変なことになりますので、しっかり聞いておきます。
頂いて、こちらから再度読み上げるようにします。

「不明な点などの質問」

「不明な点などは、ございますか?」と、この一言が無いお店が結構あります。
電話も、ご来店と何ら変わりがないのに、心配りが足りない気がします。

私たちは応対に慣れていますが、お客様の半数は、私たちよりも緊張してお電話くださいます。
年に一度の記念日のケーキであったりするので、ご安心頂けるように、心を砕きたいものです。

その他

電話の最初に、店名と自分の名前を名乗るのは当たり前ですが、最後にもう一度、自分の名前をお伝えします。
大抵、冒頭に言われた名前は覚えていませんし、書き留めません。

最後にゆっくりと名乗る事で、責任を自覚する意味合いもありますし、任せてくださいと、ご安心頂く意味もあります。

時間の目安としては3分です。
長々としては、お客様にとって、面倒と感じてしまうかもしれません。

電話の最後に、一から全て確認する必要はありません。
一つ一つの場面で、正確に伺う方に、全力を尽くしてください。

キーワードは「簡潔に、正確に」です。

こういう説明を詳しくしてくれる機会が無いお店もたくさんあります。
時間が取れないお店の為に、若手の力を勝手に底上げしようという、企画記事です。

この【経験0~3年向け】シリーズは、読者の半分も興味がわかないシリーズなのですが、
温かい目で、読み飛ばして(笑)頂けますと、幸いです。
【合わせて読みたい】
ホールケーキは、予約は必要?いつまでに予約をすればよい?

レシピの最新版を公開しています。

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