パティシエ 坂下寛志 Pâtissier Sakashita Hiroshi

『チーズケーキ“ミディアム レア”』(ベイクド・スフレ 半熟チーズケーキ)

      2016/02/06

_MG_4555使用しているチーズなどの説明は→こちら

今現在の集大成

このチーズケーキは、
使用している3種類のクリームチーズからなる、
深いのに、くどくないチーズ感と、
濃厚なのに食べやすく、滑らかな食感がポイントです。

特に後者の方は、
私のパティシエとしての経験や知識がぐっと詰まっています。

ベイクドとスフレとミディアムレア

ベイクドタイプの濃厚さと、
スフレタイプの軽快さ、
そしてミディアムレアの口当たり、
これをひとつにまとめ上げました。

一般的なチーズケーキのレシピや製法と、異なる部分が多くあります。
トゥルモンドのチーズケーキを目指して頂ける方に、
大切なコツを記載しておきますね。

メレンゲ

_MG_4545こんなに緩い状態で加えます。
しかも、配合量としては、スフレタイプより全然少ないです。
食感を少し軽くするという意味合いで、加えています。
ボリュームを出す為ではありません。

配合する卵は、メレンゲの他は卵黄のみとなりますが、
生の状態のもの、カスタードの状態ものの、
2種類を加えます。

カスタードを焼いたことがある方は分かると思いますが、
卵焼きのように、硬くなったりしません。

生の状態のものは、固める役割を、
カスタードの状態のものは、チーズとの繋がりと味の役割を、
それぞれに意図して加えています。

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小麦粉

小麦粉は、カスタードに含まれているもののみの配合です。
支えではなく、つなぎの役割で加えています。
そもそも大きく膨らませようとしていませんが、
支えともしていませんので、フォークがすっと入ります。

焼き具合

一度、中温で焼いて火を入れた後、
高温で、さっと表面を焼いています。
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最初の焼きも、まだ中心まで焼き切っていない状態、
プリンを焼くときのようなイメージくらいで、
オーブンから出しています。

異なった温度での2度焼きと、
余熱で火を入れるようなぎりぎりの焼き具合が、
この食感を実現しています。

綺麗な表面より、美味しい中身

このチーズケーキでは、表面に亀裂が入っています。
これは、水分を多くしたり、メレンゲを減らせば解消します。

一般的なスフレタイプのものみたいに、ばっくり割れて、
変に乾燥したりするのであれば問題ですが、
そうではないので、今のところ、そのままにしています。

もちろん、本当の完璧は、中身も見た目もなんでしょうけど、
今のところでは、味を変える方法しか見当たらないです。

全てが重要

最高のチーズケーキとは、材料も配合も工程も、
その中のひとつひとつ、意味があって、おろそかにできません。

また、見た目重視や、インパクト重視のものや、
濃厚だけを売りにした、甘いチーズなど、
そういったものには、負けたくないんですよね。

とにかくチーズケーキの名にふさわしく、
そして美味しいという事だけにこだわっていきたいです。

レシピの最新版を公開しています。

https://note.mu/sakashita

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