新しいシュークリーム『シュキュラン』 1
2016/03/16
昨年秋から登場し、ようやく浸透しつつある、
新しいシュークリーム『シュキュラン』。
「新しい」は「新発売」という意味ではなく、
食感が新しい、という意味です。
それには、沢山の失敗があったわけで。
新しい生地
以前のクッキーシューが、色んなお店で見かけるようになり、
他と一緒が好みでない私は、
新しい生地づくりに取り組む事にしました。
目標は以下の通り。
・クッキーのような食感を目指す。
・パイのような食感を目指す。
・クリームを閉じ込めるだけの役割ではない。
・生地も主役として、しっかりと旨味を出す。
・厚めの生地にして、存在感を出す。
・詰めたての販売をせず、またサクサク感を長時間維持する。
水・牛乳・バター
パイのような、クッキーのような、皮全体がそんな食感にする為、
バターを増やし、水分を減らす事にしました。
加える水分も、普通は水だけというものが多いのですが、
それの半分以上を脂肪分4.0牛乳に置き換え、
乳の風味を、できるだけ入れ込みました。
さらに、バターは発酵バターのみを使用し、
後引く余韻を表現しました。
小麦粉
小麦粉は全て国産のものにしました。
また、配合の大部分を、クーヘン(江別製粉)を使用しました。
小麦の外皮近い部分まで使用しているので、
くすんだ色になってしまいますが、風味は強めです。
灰分が他の小麦粉に比べ、約2倍も含まれています。
使用小麦粉まとめ
また、クーヘンのみだと、膨らみなどがさすがに厳しかったので、
同じく北海道小麦のシリウス(日本製粉)を配合しました。
米粉
また、小麦粉の一部を米粉(上新粉)に置き換えました。
米粉にはグルテンが無く、膨らみが悪くなってしまいますが、
結合が弱い為、さっくりと切れる食感となります。
今回の皮は、焼き切る事にしているので、
小麦粉だけだとバリバリという食感になりますが、
米粉を含ませると、ザクッという食感になります。
砂糖・バニラの粉末
通常シュー皮には、色づけを良くするための、少量の砂糖を加えます。
今回は、厚めの皮にし、存在感も出したいので、
味気なくならない位の砂糖を加えました。
また、通常は加えないバニラまで加え、
皮自体が、焼き菓子のような状態まで作りこみました。
次回は
材料の時点で、通常のシュー皮とは、全く違うものとなっています。
材料の種類自体は、無くは無い範囲ですが、
配合は、見たことの無い分量となっています。
次回は、製法のお話です。