パティシエ 坂下寛志 Pâtissier Sakashita Hiroshi

苺のショートケーキ

      2016/03/24

_MG_7753ショートケーキは、誕生日ケーキなどのホールケーキでは、
圧倒的人気です。

定番のショートケーキ、シュークリーム、チーズケーキなどを食べれば、
その店の実力が分かる、などとも言われます(焼菓子もですね。)。

その割には、ケーキ屋さん巡りなどをするケーキ好きの方は、あまり選ばないケーキです。
どこも似たような感じだからでしょう。
少し悔しいですよね。

トゥルモンドでは、シュークリームチーズケーキもさることながら、
ショートケーキも、美味しさでは1番を目指しています。

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苺は通常時は、栃木県「七ツ石いちご職人会」『職人のとちおとめ』を、
クリスマス時期には福岡県産あまおうを使用しています。

苺が手に入らない時期は、
赤肉メロン、白桃、洋梨をサンドしています。

メロンも青臭くない赤肉タイプを使用したりなどのこだわりで、
「苺より美味しい」と言って頂けるファンが、それぞれのフルーツでいらっしゃいます。

『職人のとちおとめ』は3件の農家さんしか栽培していない、
自然完熟の苺です。その為、流通段階で悪くなりやすく、高価です。
しかし、その分、美味しさは抜群です。

そして、厚めのカットで、量もたっぷりサンドしています。
_MG_5268苺は立てて並べるのが基本です。
中央も空いていません。

他店では、なかなかない食べ応えです。
一体感という為に、薄くスライスしている方もいらっしゃいますが、
大抵は、生クリームに負けています。

_MG_6429赤肉メロンは、さらにたっぷり。
果汁も満載なので、暑めの時期でも、意外にすっと食べれます。

赤肉メロン指定のご注文は、
苺の時期でも、多く問い合わせがあります。
(時期が外れると承ることが出来ないのですが‥。)

生クリーム

生クリームは、脂肪球を細かくされているものを使用しています。
同じ脂肪分のものでも、脂肪球の大きさがバラバラな方が、
人間の舌では、乳風味を強く感じたりします。

しかし、ホイップする時だけでなく、時間経過でも脂っぽくなりやすいという、欠点があります。
作りたてをすぐ召し上がって頂けるわけではないので、
脂っぽくなりにくいものを選択しています。

脂肪分自体をわずかに濃いめにし、脂肪球の細かいものを使用することで、
しっかりとした旨さがあって、それでいて軽くあっさりという、
味わいが生まれます。

北海道産などの産地も大事ではありますが、
材料の質だけが、全てを決める訳ではありません。

ジェノワーズ(スポンジ)

生クリームも美味しく、フルーツも美味しい、となってくると、
ジェノワーズが負けてしまう事があります。
もはや、支えだけの為になってしまっているような。

トゥルモンドのフルーツのカットは、
厚めに、大きめにしているので、
より負けやすくなります。

そこで、卵は卵黄を多めに配合しています。
以前より多く増やし、コクを出しています。
それだけだと、少し固めになってしまう為、
わずかに牛乳を配合しています。

蜂蜜を加え、じわっと広がる風味も加えています。

まとめ

トゥルモンドでは、カスタードやコンフィチュールなどを、
一緒にサンドしていません。(昔はしていました。)

そういう変化球ではなく、
オーソドックスなスタイルで、一番を目指したい訳です。

また、表面の苺が有る無しと、
サイズも2種類用意しています。

たくさん食べて至福を得たい方や、
他のケーキと取り合わせて食べたい方、
中のサンドしてある苺の量で充分な方などなど、
それぞれに合わせたいと思っています。

おかげさまで、ショートケーキのホールケーキ・ウェディングケーキなどを、
店舗の大きさの割には、沢山注文頂いているように思います。
それに驕ることなく、一番を目指し続けていきますので、
これからもよろしくお願いします。

レシピの最新版を公開しています。

https://note.mu/sakashita

 - トゥルモンド, プチガトー