パティシエ 坂下寛志 Pâtissier Sakashita Hiroshi

勝手に「本屋で小説が売れるようになる方法」を考えてみました 1

   

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書店で小説が売れる方法を考えてみました。
自分の業種のことをずっと考えるのも疲れるので、勝手に他業種のことで気分転換してみます。

私は、小説を読む方です。
未だにスマホを持っていませんし、電車内や何かを待っている時は、バックの中から小説を出します。
これくらいで「読む方」と言ってしまえるくらい、「読まない人」が増えました。

そうすると、作家の収入が減っています。
引退する方も多いらしいです。

そうなると、私も困ってしまうので、勝手に考えてみました。

・出版社毎の棚割りを無くす。
・裏表紙にある宣伝文を、執筆者が考える。
・出版する種類数を減らす。
・宣伝費を分散しない。
・「本を贈る」需要を考えてみる。
・書店の取り分(利益)を増やす。
・カテゴリーを詳細に分ける。
・作家10人程の月刊連載を本を創る

先に伝えておきますが、私が購入するのは、もっぱら単行本ではなく文庫本です。
基本的に持ち歩くので、文庫本しかありません。
読み終わり近くになったり、遠出するときなどは、数冊持ちますし。
価格も魅力ですよね。

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出版社毎の棚割りを無くす。

例えば、立ち読みなどで、面白そうと思ったとします。
何かの事情で、その時には買えず、別の時に買おうとします。
そうすると、平積みのもの以外は、見つからないことがあります。

作家を覚えていて、タイトルも何となく覚えていても、出版社まではさすがに覚えていません。
店員さんに聞くこともできますが、タイトルがうろ覚えだと、気も使って諦めます。

出版社がどこであるかで購入を決めないし、「同じ出版社だから、これも面白そうだな」とかは絶対に思わない。
そうすると、出版社ごとの棚割りは、売り手の都合しか無くなります。

裏表紙にある宣伝文を、執筆者が考える。

小説を読みたいか判断するときに、裏表紙や帯の宣伝文を、まず読みます。

その宣伝文がそそられないもの、そもそも読ませる気があるのか、とさえ思うものもあります。
大抵、宣伝定型文に、はめられています。

まず「主人公の名前付き紹介」があって、次に「内容」です。
その後に「ミステリーの最高峰」とか「密室殺人」とか「○○賞受賞作」などが順に続きます。

ケーキ屋でいう「○○にこだわって」「厳選された素材で」「保存料不使用」などが順番に出てくるような文章のようです。

そのお菓子の想いは、創ったパティシエが一番強いです。
スタッフが創ったなら、シェフよりも強いです。

もちろん、そんな宣伝文ではなく、本文で判断しろ、という考えもあるでしょう。
そういう事ではなく、裏表紙まで、熱が帯びているかいないか、という事です。
素晴らしい一文で、引きこんでほしいのです。

また、付属の帯で「泣きたい人はこれ!」「思わず涙した」とかいう文は、止めてほしいです。
書店員に「この人泣きたいの?」とか思われたら、格好悪いじゃないですか(笑)

2に続く。


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