パティシエ 坂下寛志 Pâtissier Sakashita Hiroshi

ゼリー(ジュレ)のゼラチンとアガーの使い分けと注意事項 2

      2016/09/07

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トゥルモンドでは、今年はゼリー系に「アガー」しか使用していません。

ゼラチンはどうしても、プルンとした、噛み応えが少しあるような弾力があります。
添加量を減らしても、同様です。減らし過ぎて、固まらないリスクがあります。
昨年は、1つだけありましたが、今年は全て「アガー」系製剤です。

アガーの食感、離水も含めた瑞々しさが、求めているものにあっているからです。

トゥルモンド使用アガー製剤一覧
・パールアガー8
・パールアガー冷凍用34
・クールアガーフローズン

今年も結局、袋入りの常温販売ゼリーをしませんでしたが、
その場合は、「パールアガー 5128G」も使用していたでしょう。

パールアガーは富士商事、クールアガーは新田ゼラチンです。

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アガー製剤の種類は豊富で、かつ新しいものが、どんどん出てきています。
以前は、ゼリーは冷凍することが出来ませんでした。

解凍すると激しく離水し、食感がぼそぼそになりました。
ですが今は、一定条件がそろえば、専用のアガー製剤による、冷凍が可能となりました。

これはすごい事で、ケーキを含むスイーツの構成に、新しい発想をもたらす進歩です。

私の中では、ゼリーに限ったことであれば、ゼラチンよりもアガーの使用をお勧めします。

アガーを断念するのは、下記2点の時でしょうか。

・できた溶液は温かい内に流し込まなくてはならないので、それが、スイーツの構成の他の部分にダメージを与えてしまう時。
・素材を加熱したくない時。

これにあてはまらないのであれば、今までできなかったことも含めて、アガー製剤に目を向ける方が良いでしょう。

プロの方であれば、ゲル化剤会社の研究開発の方に、相談すれば良いと思います。
色々、話も楽しいですよ。向こうは大変かもしれませんけどね(笑)

昔、パートドフリュイで、ペクチン会社の方に、沢山お世話になったな…(遠い目)。

冷凍の事や、ゼラチンの事など、
少し端折ったところがありますので、今度改めて、その部分を記事にしたいと思います。
ゼリー(ジュレ)のゼラチンとアガーの使い分けと注意事項 1

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https://note.mu/sakashita

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