【質問・回答】ガトーショコラをふっくらとへこませないで焼きたい
「お問い合わせ」から、質問頂きましたので、答えてみます。
一番問題点なのは、メレンゲの分量に対して砂糖が少なく、安定しにくいことと粉がなく、骨格がないことで焼き縮みが気になるのです。
レシピもどこからのものかわからず、いつも不安定なものつくりをすることに葛藤しております。
このレシピでは不可能なんでしょうが、坂下先生のようなボリュームがあってフラットなケーキを焼いてみたいんです。
卵黄をそのまま混ぜるのをブランシールしてみたり、保温に気をつける程度のことしかやっていません。
こんなお菓子作りが好きなド素人にどうかお力をお貸しくださいませ。。
まずは、材料の分量を公開しましたので、できればご参考ください。
・「ショコラ クラシック」レシピ
頂いたレシピだと、「ボリュームがあってフラットなケーキ」というのは難しいですね。
ガトーショコラと言うと、誤解が生まれるかもしれないので、以下を、クラシックショコラと表現しておきます。
(参考…・テリーヌショコラとガトーショコラの違い)
クラシックショコラは、メレンゲを入れたり、卵黄をホイップしたりなど、
空気を含ませたもので、生地を膨らませて、小麦粉などのタンパク質で固めます。
頂いたレシピは、テリーヌショコラに近く、これは空気を含ませないで作ります。
テリーヌショコラは、低温や湯煎でじっくり焼いて膨らませません。
しかし、普通の焼き方をすると、生地に含んだ水分が蒸気となり、
それが、多少生地を膨らませます。
ですが、小麦粉などのタンパク質が足りない為、中心にいくほど潰れたようになります。
というわけで、テリーヌショコラの分量で、クラシックショコラのように焼き上げたい、というのは、製法でどうにかなるものではありません。
このブログで説明しています、「へこませないようにする」というのは、
基本的なショコラクラシックの作り方を理解したうえで、さらに上を目指したいという方に向けて致しました。
(参考…・ガトーショコラのコツ(へこませない)1)
ですので順番とすると、まずはクラシックショコラのレシピで作ってみて、さらに、ブログ記事を見ながらコツを参考にし、
思い通りのものに仕立てていく、という流れになるでしょう。
どうしても、頂いたレシピでへこませないようにする為には、下記のことをするように思います。
・砂糖をもっと増やして、卵黄、卵白の安定性を高める。
・砂糖を増やして甘くなるのであれば、チョコレートをもっとビターなものに変える。
・小麦粉、ココアパウダーを追加する。
というわけで、どんどんショコラクラシックになっていきます。
ボリュームを出さなくて良いなら、卵はホイップしませんが、そうすると、テリーヌショコラのような、どっしりとしたものになります。
ちなみに「ブランシール」ですが、これは、卵を泡立てる作業ではなく、
卵に砂糖を加えたりして、白っぽくなるまで混ぜる作業です。
作業の意味としては、熱いもの(温めた牛乳など)をを卵に加えるときに、熱凝固しないよう、空気を緩衝とする為です。
ブランシールくらいの作業では、ケーキがふっくらするには至りません。
ちなみにですが、トゥルモンドでは季節商品で「グランカカオ」という商品があります。
これは、ショコラクラシックともテリーヌショコラとも違う、ガトーショコラ(チョコレートのケーキという意味で使っています。)です。
焼いている間はふっくらしますが、
小麦粉を使用していない為、かなりボリュームが縮みます。
プロのレシピは、本などで手に入れることが出来ますが、分からないところは質問できません。
また、ネットで検索してみても、ほとんどが素人さんのレシピなので、色んな誤解が混じっていたりで、
さらに問題がごちゃごちゃしてくるでしょう。
という訳で、パティシエの後進たちの為も含めて、疑問をなるべく解決していきたいと思います。
私の頭の整理にもなるので、どんどん質問してきてくださいね。
・「ショコラ クラシック」レシピ
・「テリーヌショコラ」レシピ