パティシエ 坂下寛志 Pâtissier Sakashita Hiroshi

『キャラメル バニーユ』(バニラのキャラメル)

   

_MG_2491キャラメルを、新発売しました。

製法は難しくないですし、何となく作っても、キャラメルはできます。
しかし、キャラメルは、奥が深いお菓子です。

今年は、キャラメルを極めていきたいなと思い、まずは、以前(7、8年前)レシピで作ってみました。

とても、美味しくなかったです(笑)
キャラメル味の付いた、水あめのような味でした。
伸びは、伸びすぎるくらいで、びよんと。

という訳で、レシピの改良が始まりました。

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・乳風味を強くする。
・不必要に伸びるような食感にしない。
・ある程度期間をおいても、ざらざらした食感にならないようにする。

乳風味を強くする。

乳風味は、生クリームの量、バターの量などで、乳脂肪分量を増やせばよいのですが、
濃すぎると、バターキャラメルのような、くどいものになってしまいます。

生クリームは脂肪分の高いものに変更しつつ、量も増やしました。
贅沢仕様です。

不必要に伸びるような食感にしない。

これは、水あめの配合量で調整します。
伸びすぎるものは、口の中でいつまでも残る食感となってしまいます。

ある程度期間をおいても、ざらざらした食感にならないようにする。

水あめを減らすと、時間が経つにつれ、砂糖の再結晶化がしやすくなります。
そうすると、ざらつきが感じられるようになります。

味に関しては、あとはキャラメルの焦がし具合と、加える砂糖のうち、どれくらいの分量を焦がすか、などが問題となってきます。
生クリーム、バター、バニラの素材選びは、言うまでもありません。

商品の完成度としては、カットしやすさなども含まれてきます。
もちろん、煮詰め温度も難しいところですね。

キャラメルの作成は、当分の間、私だけがすることになると思います。
それほど、煮詰め具合は重要ですし、細かい状態の変化も見極められなければなりません。

キャラメルは、価格としても手に取りやすく、親しみやすいお菓子ですね。
だからと言って、安っぽい味にはすることなく、さすがトゥルモンドという味わいを表現していきたいと思います。

レシピの最新版を公開しています。

https://note.mu/sakashita

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