パティシエ 坂下寛志 Pâtissier Sakashita Hiroshi

フィナンシェのコツ 1

   

1フィナンシェのコツを、少しお教えします。

卵白は温める

卵白をコシを切りながら、温めます。
_mg_390232℃。多少、泡立ってしまっても大丈夫です。
温度が低いと、乳化不足になる原因となります。

水様化させてなくて良いです。

アーモンドパウダーは焼いておく

アーモンドプードルは、一度焼いて、しっかり香りを出します。
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フィナンシェ生地は、焼いている間に95℃くらいまでしか上がりません。
(参考…フィナンシェの焼き上がりの中心温度
その温度だと、アーモンドに火は通るのですが、香ばしくまでは焼けません。
ですので、先に焼いてから加えているのです。

ちなみに、フィナンシェやケークなどを焼いているときの内部は、蒸されているような状態になります。
例でいうと、ドライレーズンを入れて焼くと、蒸されて水分を含み、戻したレーズンになります。

アーモンドの甘味を重視したい時は、先に焼かない方が良いですね。

また、焼くと水分量が減るので、ご注意ください。

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バニラ

バニラパウダーを入れます。
_mg_3908バニラパウダーは、種を取ったバニラのさやを、乾燥させて粉砕したものです。市販はされていません。

香りの強さは、種よりもさやの方が強いです。
香りの種類は、種は上品で、さやはやや野性味が感じられます。

「シュキュラン」のハードなシュー皮にも、バニラパウダーが配合されています。
ハードに焼きあげても、バニラが負けじと香ってくるのは、その為です。

好みにより、バニラペーストを使っても良いですが、さやごとの方が意外とよい感じになると思います。

_mg_3914こうしてできあがった生地は、焼く前から茶色がかっています。
温度は32℃くらいでした。

これを休ませず、温度をキープしながら焼いていきます。

続く。

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