フイユタージュ 2
Sさんの質問にお答えしていきます。
質問エントリーはこちら。
すごく長文なので、根気必須です。
すみません。
まず説明しやすくするために、製法をご紹介。
・小麦粉(スーパーバイオレット+モンブラン)を冷凍庫で1日冷やす。
・細かく切ったバター(明治発酵バター+タカナシ無塩バター)を、小麦粉と一緒にフードプロセッサーに、
完全に粉状にする。
・ミキサー(フック)で、その他材料と、まんべんなく合わせる。
・1日休ませた後、適宜にのす。
・1日休ませて、カットして焼く。
です。
私の使っていたブリゼの製法と若干違うのですが、
こういう手法も、結構使われるみたいですね。
というわけで、パートブリゼの製法に似ているどころか、
同じと表現しても、良いかもしれません。
ラピットの認識は、
粗々と混ぜて、シーターで折る、ですが、
粗々具合で、結構暴れてしまう生地になりがちです。
そもそも、私のイメージとは違いましたし。
以前のフイユタージュは、まさしく層で、
1枚1枚の層の繋がりが少なく、ハラハラしていて、
それはそれで気に入ってた時期もあったのですが、
食べづらくて!
なので、フイユタージュにまんべんなくピケをして(細かく穴を空ける)、
それを折ってみたりもしました。
ピケをすると、ピケした部分が、上から下まで繋がるような気がしまして。
うまくいくかなーと思ってたら、
気泡がたくさん入っただけでした(笑)。
やたら焼き縮むおまけ付きで。
さて、やっと本題。
「水分を減らし、グルテン形成を抑え、
つながりを弱くする事で、歯切れをよくしたいといった理論ですかね?」
三つ折り、四つ折りなどをしないで済む製法により、
グルテン形成を抑えました。
水分を減らすと、どんどん粉っぽくなり、
口の中で、水分が奪われるようなパイになりました。
なので、バターや水分は必要な要素という事が分かりました。
低水分のバターを使用しているのは、
水分多めのバターだと、フードプロセッサー内でまとまってしまい、
少ない量でしか、配合できないためです。
「低水分」のバターと表現してしまったため、
カルピスさんの低水分バター等と、誤認させてしまったかもしれません。
すみません。
よつ葉の発酵バターは、明治発酵バターより水分が多いみたいで、
よつ葉さんから明治さんに、切り替えたことからの所以でした。
「作業性のデメリットとして、シーターにかけると切れると言う事ですか?」
こちらも、誤認させてしまったようですね。
すみません。
危ういバランスというのは、
バターの配合が多く、作業途中でまとまってしまいやすい、
バターの水分によって、使用できるバターが制限されてしまうため、
風味として、より好みのバターがあっても、
使用できないかもしれない、
このようなことを指していました。
シーターにかけると切れる(層を作るための、生地とバターがうまく伸展できず、どちらかが切れ、きれいな層にならないこと)ということは全くなく、
仕込んだ当日は、表面がべたべたしているのですが、
翌日は、きれいに扱いやすい生地となり、
伸展性も良いです。
長文、読破ありがとうございました。
質問には、十分にお答えすることができたでしょうか。
次回、焼成時の話をしてみたいと思います。