抹茶の菓子を変色(退色)させない為には
2016/09/24
トゥルモンドの「北海道小麦と宇治抹茶のサブレ」です。
左と右は、同じ材料で作ったものです。
両方とも、4か月常温保管しました。
右のものは、緑色が全く無くなっています。
左のものは、ほぼ変わらずです。
味は、右は、口に入れた途端、「これは危ない」と判断してしまう味でした。
そして、左は、先のがひどかったせいもあるかもですが、「普通に美味しい」と思いました。
店には並べませんが。
抹茶のお菓子には、退色させない為、「クロレラ入りの抹茶」や「クロレラまたは色素が入った抹茶ペースト」が用いられます。
有名店でもよく使用されています。
しかし、どれも美味しいものではありません。
ですので、トゥルモンドでは、そういうものが添加されていない、飲用できる抹茶を使用しています。
そうすると、光をあてて一週間も保管すれば、けっこう退色します。
そこで、脱酸素剤を袋に封入しています。
脱酸素剤とは、菓子袋の中に入れて、袋内を脱酸素状態にするものです。
製品としては、エージレスやワンダーキープが有名です。
脱酸素剤を誤解している方が、結構いらっしゃいます。
毒性があるとかは流石にないですが、香りを含め、風味も吸収してしまう、とか思われたりします。
脱酸素状態にしているだけで、酸素がある状態は、むしろ悪影響のものの方が多いです。
1.好気性菌の繁殖 → カビが生える(酸素濃度を0.1%以下にするとカビ防止可能です。)
2.油脂の酸化 → 油やけや異臭が発生する(油脂は酸素と反応して劣化します。)
3.香気成分や色素の変化 → 香りの減少・退色・変色(酸化によってコーヒーやお茶の香りは失われます。無酸素状態にすることで、ある程度保持することが可能です。)
4.害虫の発生・増加 → 虫の卵から成虫までの殺虫が可能です。
引用…http://www.yagihiro.co.jp/?page_id=157
抹茶ってそそられるのですが、食べてみると不味くて後悔することが多いですよね。
思うに、下記三つの理由だと思うのです。
・退色を防ぐためのクロレラなどが入って、草のような味がするから。
・着色などで色が変化していないので気づかないが、酸化で味が劣化しているから。
どれもやりがちですが、3番目は特に、気づいていない作り手が多いような気がします。
脱酸素剤は、袋もバリア性の高いものを使用しなくてはならない為、コストが上がります。
しかし、味を保つために、有効な手段だと思います。
抹茶のクッキーやスノーボール、パウンドケーキもそうですけど、焼菓子にしている方々は、ぜひ一度お試しください。