イタリアンメレンゲは殺菌できているか
2016/03/01
イタリアンメレンゲとは、117~120℃程度に熱したシロップを、
卵白を泡立てながら加えてつくる、メレンゲの事です。
出来上がりのメレンゲは保形性があります。
なので、クリームなどに合わせても、ふんわり感が保つことが出来るので、
バタークリームやムースやシブースト等を作るのに、使われたりします。
先に伝えてしまいますが、
イタリアンメレンゲは、加熱殺菌はできていません。
ここは、良く間違えられていて、
製菓学校でも、そう教えているところがあるそうです。
卵の加熱殺菌
サルモネラ菌も含む細菌を、加熱殺菌できる条件は、
以下の通りです。
65℃以上で5分以上または、75℃以上1分以上
これを踏まえて、イタリアンメレンゲの作成風景を見てみましょう。
メレンゲの実際の温度
118℃程に熱したシロップを注いでいきます。
この後、すぐに温度を測ると、
60℃でした。レーザー温度計なので、少しブレがあるとしても、
75℃なんて、絶対に行きません。
そして、5分もまわし続けていると、
34℃まで落ちてしまいます。65℃以上で5分なんて、不可能です。
というわけで、シロップによる加熱殺菌は全くできないことが分かります。
なぜ日持ちするか
とはいえ、イタリアンメレンゲで作ったバタークリームは、
常温でもそれなり日持ちがします。
焼菓子にサンドされていることもあります。
これは、食品の防腐剤や風邪薬にも使われています。
さらに、卵白は細菌が住みにくいアルカリ性になっています。
引用元 (株)高岡鶏卵ジーピーセンター 引用ページ
つまり、卵白そのものが、細菌が繁殖しづらいものであるからです。
材料の時点で、細菌が少ない為、日持ちしやすいだけなんですね。
クリームなどに加工したときは、常温なら1週間が限度かと思います。
卵そのものをサルモネラから守る
まず、卵はサルモネラ検査をしっかり行っている事業者から、
入手する方が良いでしょう。
トゥルモンドが使用している奥久慈卵
また、液状のものは、殺菌タイプを使用することも必要です。
それらが守れない場合には、焼き菓子などで、
完全に火が入るものに使用しましょう。
凍結卵白を使用するときの注意点
製品の凍結卵白を使用している方もいらっしゃるかと思います。
凍結卵白には、殺菌済み、無殺菌の2種類があります。
使う用途に合わせて、殺菌の有無を確認するようにしてください。
過去には、これによる食中毒も起きていますので。
まとめ
食中毒防止の観点からのイタリアンメレンゲの知識を、
以下にまとめます。
・凍結卵白なら、殺菌タイプを。
・シロップでは、加熱殺菌できない。