パティシエ 坂下寛志 Pâtissier Sakashita Hiroshi

ベーキングパウダー(膨張剤)のアルミニウム使用について1

      2016/01/20

みなさん、こんにちわ。
坂下寛志です。
発表されました、
『厚生省 食品のアルミニウム添加物 基準作成へ』について、
お話させて頂きます。

食品のアルミニウム添加物 基準作成へ

基準作成の経緯は、他でも記されておりますので、
お調べ頂きたいのですが、
基となっているのは、
「食品安全委員会 第32回企画専門調査会」みたいです。
内閣府食品安全委員会HP
ご興味のある方は、議事録がありますので、
行って読んできてください。

アルミニウムに関して、要点部分をざっくりと。

1.アルミニウムは、土壌、水、空気中に広く分布している物質である。
2.WHOの摂取量の調査で、子どもで2~6mg、10 代で6~14mg。
  食品添加物研究会の調査では、日本人で加工食品で3.65mg、未加工食品で1.58mg で、合わて5.23mg/日。
3.過剰摂取すると、繁殖系や発達神経系に影響があるのではないかと言われている。
4.国際機関における暫定耐容週間摂取量は、「1mg/kg 体重/週」。
5.国際的にデータ不足で、各国で分担して試験を進めている。
  日本では、硫酸アルミニウムアンモニウム(ミョウバン)等について
追加試験を分担。

そして本日発表の『厚生省 食品のアルミニウム添加物 基準作成へ』となります。
(ソース元NHK NEWS WEB

『食品添加物としてケーキや菓子パンなどの一部に含まれている
アルミニウムについて、子どもたちの一部が国際的な基準を超える量を摂取している、
とみられることが分かり、
 厚生労働省は、食品に含まれる許容量について基準を作ることを決めました。』
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ミョウバンは膨張剤のベーキングパウダーに

それで、ケーキ、菓子に使用される膨張剤に使われる、
「ミョウバン(硫酸アルミニウムアンモニウム)」がそれにあたり、
アルミニウムの使用量を減らすよう、自主的な取り組みを要請される事となりました。

当店でいうと、ミョウバンは膨張剤のベーキングパウダーに含まれております。
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ここで、計算です。
※加筆・修正しました。
以下の計算に誤りがあります。

マドレーヌ1個当たりのベーキングパウダー使用量は、
 マドレーヌ1個の焼成前重量 26g
 そのうち、ベーキングパウダー 0.45%
 26g×0.45%=0.117g
ベーキングパウダーの成分で、ミョウバンは14%なので、
 0.117g×14%=0.0164g
 
つまり、当店のマドレーヌ1個当たり16.4mgのアルミニウムが含まれます。

こどもの5歳の平均体重(男子)は約18kg(ソース元
1週間の暫定耐容摂取量は、18mg。
マドレーヌ1個でも、基準近くまで摂取することとなります。

冷静にご判断ください

暫定耐容週間摂取量は、1週間でいうと、という基準で、
これを1度超えたからどう、という話ではありません。
この基準を、長期間超え続けた場合、影響がでる可能性がある、というものです

それでも気になる方は、ミョウバン使用のベーキングパウダー入りの商品を、
お子様に渡すことをお避け下さい。

焼菓子には、全て表記がございますし、
生菓子、半生菓子に至っては、使用しておりません。

当店といたしましては、
ミョウバンを使わない、特別なベーキングパウダーに順次切り替えていきます。
より安全なお菓子作りに努めますので、今後ともよろしくお願いいたします。

最後になりますが、
アルミニウムについてまとめられているこちら(「アルミニウムと健康」連絡協議会HP)をご参考のくださいますと幸いです。

今回の記事は、危険性を煽っているわけではなく、
得られた情報を、当店に置き換えてご紹介しているのみです。

アルミニウム、ベーキングパウダーの件に関して、
製造者のみなさまも、消費者のみなさまも、冷静にご判断くださいますよう、
よろしくお願いいたします。

追加・修正しました。

上記計算に誤りがありました。
下記URLの記事で訂正しておりますので、合わせてお読みください。
ベーキングパウダー(膨張剤)のアルミニウム 2

レシピの最新版を公開しています。

https://note.mu/sakashita

 - ベーキングパウダーのアルミニウム