【質問・回答】チョコレートのブレンドのカカオ分計算式 2
カカオ分70%と55%のチョコレートを使って、カカオ分60%のチョコレートを300g作りたいと思います。
70%と55%は、それぞれ何gずつ必要でしょうか。
味、甘さなどに関しては、考慮しないものとする。
ピアソン四角法は、使用してはならない。
前回出題した問題です。
回答方法には、何通りかありますが、まあ、方程式でしょうね。
カカオ分70%の量をX、55%のをYとします。
XとかYとか、見ただけで拒否反応してしまうパティシエは多いですよね(笑)
分からないものを、XとかYとかの文字に置き換えていきますが、
分からないものが1つであれば、1つの数式を、
分からないものが2つであれば、2つの数式(それぞれが異なる)を用意しなければなりません。
今回は、分からないのが2つなので、2つの数式を用意します。
量
カカオ分70%と55%を足したら、300グラムになるという事です。
当たり前ですよね。
「300g作りたい」という問題なのですから。
上の数式から、下のようになります。
300グラムから、カカオ分70%の量を引いたら、55%の量です、という事を言っています。
これで1つの数式が用意できました。
カカオ分の量
次に、チョコレートに含まれる、カカオ分の量について考えます。
チョコレートは「カカオ分」と「それ以外の何か」に分かれます。
カカオ分60%というのは、「60%がカカオ分」で、「40%がそれ以外の何か」です。
100gあれば、60gがカカオ分の量で、40gがそれ以外の何かの量です。
暗算してしまいましたが、100gの60%、つまり100g × 60% = 60g という計算をしています。
300gなら、300g × 60% で計算できます。
同じように考えると、
カカオ分70%のカカオ分の量は、X × 70% ですし、
カカオ分55%のカカオ分の量は、Y × 55% です。
という訳で、次の数式が成り立ちます。
70%と55%をブレンドしたカカオ分の量は、60%のカカオ分の量と同じという事です。
同じにしないと、同じ濃さにならないので、当たり前ですね。
最終計算
さて、2つの異なる数式が用意できました。
先に出てきました、Y = 300 - X を、2つめの数式に融合します。代入と言いますね。
すると、こうなります。
後は計算していくだけですね。
X × 70% + 300 × 55% - X × 55% = 300 × 60%
X × 70% + 165 - X × 55% = 180
X × 70% - X × 55% = 180 - 165
X × 15% = 15
X = 15 ÷ 15%
X = 100
というわけで、Y = 300 - X も使うと、
X は100で、Yは200となります。
カカオ分70%は100gで、55%は200g必要。
応用問題
できましたか。まずは、基本の問題でした。
次は、少し難しくなります。
カカオ分60%を300gと、40%を200gをブレンドしたチョコレートがあります。
これをカカオ分70%と30%のチョコレートを使って、同等の濃さのチョコレートを500g作りたいです。
70%と30%は、それぞれ何gずつ必要でしょうか。
味、甘さ、滑らかさ、乳成分などに関しては、一切考慮しないものとする。
ピアソン四角法は、使用してはならない。
また後日、回答をしたいと思います。
ちなみにですが、今回の計算は、カカオ分内のカカオマス量やカカオバター量を、一切考慮していません。
ですので、計算上のカカオ分の量があっていても、濃さ、流動性などにおいて、違いが出てきます。
その点は、また今度記述します。
【合わせて読みたい】
・チョコレートのブレンドのカカオ分計算式 1