『グラン カカオ』
『グラン カカオ』
しゅわっと溶ける、全く新しいガトーショコラができました。
小麦粉不使用で、南米カカオの強い風味。
常温でのお召し上がりがお勧めですが、
冷やしても、違った美味しさが楽しめます。
トゥルモンドには、いわゆるチョコレートケーキが、
他にも有ります。
『テリーヌ ショコラ』と『ショコラ クラシック』です。
『テリーヌ ショコラ』は、空気を含ませず、ねっとりした口当たり。
生チョコレートのような食感です。
『ショコラ クラシック』は、卵を泡立てて、空気を含ませ、
生地の温度に気を付けながら、ふんわりと焼き上げます。
『グラン カカオ』は、しゅわっと口の中で溶ける、
ムースのようなガトーショコラが作れないか、というところから始まりました。
製法やレシピはもちろん、チョコレートの種類から研究を始めたので、
たっぷり時間がかかってしまいました。
※いずれも、今回は使用せず。
それなりの量のカカオバターが入っていないと、
口の中で溶けた後に、そのまま残ってしまうということがあり、
しかし、カカオが強く感じないと、凡庸な風味になってしまいます。
ショコラの量を増やしていくと、生地が締まってしまい、しゅわっとした食感になりません。
製法で取り入れたのは、湯煎焼き。
じんわり焼くには、これしかありません。
プリンよりも、少し強いくらいのイメージで焼いていきます。
というのも、今回のチョコレート生地の固まる主な要素は、卵のタンパク質です。
小麦粉は配合していません。
焼いている時は、生地内の空気が温められて膨張しますが、
冷めていくのにつれて、生地は縮んでいきます。
小麦粉によって網目状に支えられないからです。
しかし、卵の支えは弱く、これがしゅわっとした食感の正体となります。
見た目としては、焼いている状態の、こんもりしたままが良いですが、
求める食感の為には、仕方ありません。
また、食感のアクセントとして、細かいアーモンドの入ったチョコレートを、
上部に薄く塗りました。
カップ状にしたのは、あまりに柔らかいからです。
フォークでなく、スプーンで、すっと入っていくくらいの柔らかさです。
常温でお召し上がりになるのがお勧めです。
本来のイメージは、常温です。
香りも、冷たいより、引き立ちます。
とはいえ、冷蔵状態でも、また違う美味しさが楽しめます。
少し重めのムースショコラといえば、想像できるでしょうか。
ガトーショコラとは、思えません。
また、同業者さんが嫉妬するスイーツが出来あがってしまいました。
食感もさることながら、しっかりとしたカカオの味も楽しんでください。
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