製菓衛生師を、過去問から勉強する(東京) 1
製菓衛生師は、都道府県知事の免許を受け製菓衛生師の名称を用いて菓子製造業に従事する者であり、製菓衛生師法(昭和41年法律第115号)により定められた名称独占資格です。
製菓衛生師の資格を定めることにより菓子製造業に従事する者の資質を向上させ、公衆衛生の向上及び増進に寄与することを目的としており、製菓衛生師の免許は、都道府県知事が行う製菓衛生師試験に合格した者に対して、各都道府県知事が付与します。
厚生労働省:製菓衛生師
製菓衛生師は、上記のとおり国家資格です。
とはいえ、製菓に従事するために、必ず取っておかなくてはならない資格ではありません。
ついでに言うと、調理師免許も、持っていなくてもお客様に料理を提供することは可能です。
この資格が無くても、菓子は作れますし、養成講習会を受け、食品衛生責任者になれば、開業することも可能です(もちろん菓子製造業許可が要る)。
製菓衛生師資格があれば、養成講習会を受けなくても、食品衛生責任者になれるというメリットはあります。
実質的にはそれだけなのですが、資格を有するまでに得た知識が、この資格の大切な部分です。
ただ、現場でしっかり考えながら、調べながら得る知識の方が、頭に残りやすいと思います。
ですので、実地経験が少ない方に至っては、「就職に有利」などの文言に踊らされることないようにしてください。
勉強も、資格を得るためだけの、ただの暗記作業にならないよう、気を付けて頂きたいと思います。
私も、製菓衛生師の資格を持っていませんし。
この資格は、専門学校で習得の選択をすれば、それに伴った勉強をし、試験を経て、資格を得る方もたくさんいらっしゃいます。
ここでは『お菓子の業界では製菓衛生師の資格を持つてはじめて一人前のお菓子やさんとみられます。』と断言されています。
私は半人前のようです。
というわけで、製菓衛生師の過去問を見ながら、一緒に勉強していこうというシリーズです。
ちなみに、試験は各都道府県で個別に行われており、問題内容も違うようです。
今回は、『平成28年度東京都製菓衛生師試験問題』を参考にします。
問題と正誤表は、こちら(東京都福祉保健局)で公開されています。
1.衛生法規
1 食品又は添加物の基準及び規格
2 感染症の発症予防
3 食品健康影響評価
4 受動喫煙の防止
正解 3 食品健康影響評価
食品安全基本法の根幹は、『食品の安全性の確保』です。
この法律に基づいて設置されたのが、食品安全委員会(内閣府)です。
食品に含まれる可能性のある添加物、農薬、微生物などの危害要因が、健康に与える影響についてリスク評価を行ないます。
このリスク評価の事を、食品安全基本法では「食品健康影響評価」と呼んでいます。
1 食品又は添加物の基準及び規格
これは、食品衛生法に基づく、厚生労働省の告示です。
2 感染症の発症予防
感染症法のことで、「伝染病予防法」「性病予防法」「エイズ予防法」の3つを統合し制定されたのが始まり。
4 受動喫煙の防止
健康増進法。
受動喫煙とは、喫煙者の吐いたタバコの煙を、別の人が吸ってしまう事。
1 食品衛生管理者
2 食品衛生監視員
3 食品衛生指導員
4 食品衛生責任者
正解 3 食品衛生指導員
食品衛生指導員とは、地域の食品営業施設で巡回指導等を行い、衛生管理を啓発することを、主な活動内容としています。
食品衛生法の趣旨にそって行政に協力し、自主衛生管理を実施することを目的として、設立された社団法人日本食品衛生協会などの各地区食品衛生協会が、委嘱しています。
食品衛生法や条例に規定されている資格ではありません。
1 食品衛生管理者
次の食品・添加物の製造又は加工を行う施設には、食品衛生法第48条の規定により、専任の食品衛生管理者を置く必要があります。
・加糖粉乳
・調整粉乳
・食肉製品
・魚肉ハム
・魚肉ソーセージ
・放射線照射食品
・食用油脂(脱色又は脱臭の過程を経て製造されるものに限る)
・マーガリン
・ショートニング
・添加物
2 食品衛生監視員
食品衛生法第30条に規定される。
おもに、国の検疫所と地方自治体の保健所に所属する。
営業をしていると、食品の抜き取り調査にいらっしゃる方々も、この方たち。
食品衛生監視員の仕事内容について教えてください!:教えてgoo
4 食品衛生責任者
東京都のみならず、各都道府県で制定されている食品衛生法施行条例で、食品衛生責任者の設置と義務が定められています。
続く。