新しいシュークリームの新しいコツ(『シュキュラン』 3)
トゥルモンドのシュー生地を作ってみたい、
そういう試作をされる方に、コツを教えます。
パート1で材料の、パート2で製法のコツを紹介しましたが、
それ以外の細かいところを記述します。
しっかり焼き切る
右側が、デッキオーブンで55分焼いた後。
左側が、コンベクションオーブンで、さらに25分焼いた完成品です。
コンベクションオーブンに入れる前に、
穴をあけて、シューの中もしっかり焼き、乾燥させていきます。
焼き具合は少し強めですが、焦げ感が出ない範囲を目指します。
これにより、クリームを詰めて、ショーケースに入れておいても、
ちょうど良い具合にサクサク感が持続します。
ですので、詰めたての時だけサクサクなのではなく、
どこかにお土産に持って行って、
相手と一緒に、そのサクサクを楽しむことが出来るのです。
楕円形にする
皮に厚みがある為、
通常の山型では、食べづらくなります。
また、クリームもしっかり入れ込みたい為、
エクレア型では、それが困難になります。
ですので、その二つを組み合わせて、
食べやすく、クリームもしっかり入れ込める、
おはぎのような形にします。
その為には、棒状に絞った生地を、
固めた後、切っています。
切れ目を入れる
シュー生地が厚く、強い為、
焼いているときに、少しでも弱い部分から、蒸気が出ていこうとします。
そこで、上面に切れ目を入れて、
なるべくそこに向かって膨れていってもらいます。
フランスパンのクープのようなイメージです。
皮の重量は重め
通常のもの生地量は、1個15~20gくらいです。
ですが、シュキュランは370gに絞って10カットしているので、
1個35gくらいです。
厚さも厚めで、クリームを入れ込みたいとなると、
これくらい量が多くなるのですね。
クリームは後ろから
シュークリームは、クリームを詰める為の穴があります。
食べる時に、そこからクリームが飛び出たりします。
シュキュランは、底からではなく、後ろからクリームを詰めてあります。
その方向から食べ始めると、クリームが飛び出ません。
まとめ
新しいコツ、と書きながら、
ほとんどが材料と製法のパートで書き上げておりました。
今まであるお菓子でも、自分の思う方向が変われば、
自在に変化させられる、技術と知識が必要ですね。