パティシエ 坂下寛志 Pâtissier Sakashita Hiroshi

なぜパティスリー(洋菓子店)は原価計算をしないのか。 1

   

_MG_7753ケーキやスイーツは、甘い夢のような華やかな存在です。
その為、こういうお金に絡んだ話は、避けられる・目を伏せたくなるのが現実です。

しかし、パティシエや運営者は、しっかりと勉強し、バランス感覚を備えなければなりません。
そうでないと、自分が憧れたものが、作っていけなくなるからです。

安ければ売れるだろうと、手が込んでいれば売れるだろうと、
適正な労働時間を含めた原価計算をしないで、スタッフを酷使するお店が多すぎるように思います。

「目指せ8時間労働・土日祝日休み」ですよ。
お客様の事も考えれば、シフト制で、お店は従来通り営業ですね。

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そして、スタッフもしっかりと将来設計ができる。自分の家族が良ければ、それで良しとしない。
「今は修業の時期だから」とか、「我々も昔は」などと言わない。
働くスタッフも幸せになっていける約束があるような、業界にしていきたいですよね。
社会保険・厚生年金さえままならない状況の、業界であってはならないでしょう。

イメージだけで必要な実力が付かないような、
体育祭もあるから楽しい専門学校ですよとか、
マジパンなどの細工ものでのコンクールが目指す道と刷り込むような、
それくらいなら、焼き菓子が美味しく作れるような勉強をさせた方が、よっぽどましだったりします。

おっと、毒を吐いてしまいましたね。
業界外の方であれば、そんなの当り前だろう、と思う事が、当たり前でなかったりします。

細工物のコンクールの受賞歴は、お菓子の美味しさと関係は無いですよね。
細工の練習をしている間、お菓子作りに時間を割いた方が、どう考えたってパティシエの本来の道でしょう。
(最たる人たちは、努力で両立しているはずですけど。)

さあ、そんなわけで、パティシエが原価計算をしない理由です。

2に続く。

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