パティシエ 坂下寛志 Pâtissier Sakashita Hiroshi

『繁忙期こそ、早く帰ろう』という提案。

   

_mg_586410~3月は、お菓子屋さんにとって、いわゆる繁忙期です。
ハロウィン、クリスマス、年末年始に、バレンタイン、ホワイトデー。
ひな祭りや入学・卒業なども合わせると、イベント目白押しです。

そうなると、夏場に比べ、仕事量が激増してしまうのですが、
スタッフの人数は、その分増やしたりは中々できません。
ですので、長時間残業や2ケタ連勤をしてしまう所もあります。

という訳で、この時期がつらいな、と思うパティシエも大勢なわけです。
たくさんのご来店は、本当に嬉しいのですけどね。

Sponsored Link

トゥルモンドでは、この時期に限ったことではないのですが、
8:00~19:30を基本としています。

目標は8時間労働ですが、まずは、8:30出勤にして、18:00に何人か退勤、というのを目指しています。

20:00になることはあり得ません。
そうなるようだと、厳重注意となります。

ほとんどのお店で、仕事量に対して、仕事時間が変わってしまいます。
8:00~19:30でも、十分長いです。長時間労働です。

これ以上長くしないと成り立たないのであれば、それはもう、商売として成り立っていないと思います。
洋菓子業界の方たちは、それを理解しないといけないと思います。

仕事ができる時間に対して、仕事量を組むべきです。

締めのミーティングを、昨日は19:38にしています。
この後は、さらっと帰ります。帰らせます。

材料の発注や在庫確認なんて、絶対にさせません。
それらは、勤務時間内にしてもらいます。

トップが時間を区切らないと、スタッフは頑張ってしまいます。
その頑張りで成り立たせては、いけないのです。

健やかなる状態でこそ、美味しい商品ができあがります。
「美味しいものをお客様に」と掲げているパティスリーは、まずはスタッフの体調を気遣ってみてはいかがでしょうか。

働いているパティシエの皆さんも、長時間働くことや2ケタ連勤などをすることを、頑張るとは言わないことを、
頭に入れて頂きたいと思います。

トゥルモンドではクリスマス期間以外は、常に上記時間なので、
繁忙期こそは早く帰る、という風にはなりませんが、
体調が崩れやすい繁忙期こそ、むしろ時間を区切って、家でゆっくりして頂きたいものです。

一応言っておきますと、トゥルモンドはクリスマスも、交代で勤務時間がずれるだけで、1日平均12時間です。
不眠でやるとか、あり得ないですし、そろそろやめてほしいものです。

不衛生ですし、作業速度が遅くなったり、失敗が増えたりで、生産性もとても悪いです。
そんな中、美味しいクリスマスケーキとか、笑えませんよね。

お菓子屋さんは夢のある仕事です。当たり前のことが当たり前になるように、願ってます。

トゥルモンドは、有名店ではありません。
それでも、これくらいの労働時間にはすることが出来ます(短くは無いのだけれども)。

有名なお店やシェフのもとで働くスタッフが、なぜトゥルモンドのスタッフより、時間給が低くなってしまうのでしょうか。

低賃金のおかげで成り立つケーキなんて、世に出すべきではないと思いますし、受け入れてはいけないと思うのですが、いかがでしょうか。

【合わせて読みたい】
・パティシエの働く時間を短くしよう。1

・営業時間11:30~19:00のススメ

レシピの最新版を公開しています。

https://note.mu/sakashita

 - 経営