ガナッシュ(生チョコ)のバターは、溶かして良い。
先日、こちらで公開しました、生チョコレートのレシピはいかがでしょうか。
特別変わったものは入っておりませんが、やはりプロのものは普通と違うでしょう。
乳化に関しては、今まで色々お話ししてきました。
今回は『バター』です。
バターは、滑らかさとコクを加える為に、配合します。
ガナッシュを作る時に、バターは25℃くらいにして柔らかくし、溶かさないように混ぜ込む、というのが通説です。
しかし、私はバターは最初から溶かしてしまって良いと思います。
バターの溶解温度は30℃くらいですし、ガナッシュは、ビターチョコレートですと、38℃くらい以上でしっかり乳化させる必要があるからです。
ボンボンショコラをたくさん作る方々は良く分かると思うのですが、
カカオ分が低いものより、高いものの方が、完璧な出来上がりが難しいですよね。
バターを完全に溶かして加え、40℃近い温度で、バーミックスでしっかり乳化させた方が、上手くいきます。
出来あがったガナッシュは、特に冷やすことなく、枠に流し込みます。
そうやって作った生チョコですが、画像の通り、しっかりと乳化され、舌触りも滑らかです。
バターを溶かしておけば、念入りにバーミックスや真空ミキサーをかけることができます。
ですので、作業のばらつきも出にくくなります。
私も昔は、バターを溶かしていませんでした。
しかし、温度に関してはいつも疑問でしたし、温度の範囲がシビアなのが不満でした。
バターだけを溶かした後、そのまま冷し固めると、もちろんですが、ざらざらとしたものが出来あがります。
そのイメージのまま、ガナッシュに置き換えるのは、ナンセンスです。
カスタードクリームでも、テリーヌショコラでも、同様にバターは溶けています。
しかし、しっかり乳化させることで、滑らかな舌触りになります。
余談ですが、カスタードクリームでバターを溶かさず、あとで加える方もいらっしゃいますが、
前述のとおり、あまり意味がありません。
ガナッシュでバターを溶かしても、しっかりと乳化をさせてあげれば、滑らかさが無くなったり、劣化速度が速くなったりなど、しないと思います。
枠に流すのは、出来上がったすぐの38℃くらいで全く問題ありませんが、
型抜きの時は、チョコレートが溶けてしまうので、30~32℃くらいまで冷やしてから、型に流してください。