パティシエ 坂下寛志 Pâtissier Sakashita Hiroshi

栃木県壬生町「七ツ石いちご職人会」『職人のとちおとめ』

      2016/03/05

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同じ品種でも、こんなに違いが出るものかと、驚きました。

職人のとちおとめ

栃木県壬生町「七ツ石いちご職人会」が作る、
『職人のとちおとめ』というブランドがあります。

通常出回るとちおとめよりも、
自然完熟を目指し、収穫をギリギリまで遅らせてから、出荷している苺です。

そのため、ヘタの根元まで赤く熟し、
とびきりの味わいを楽しむことができます。
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通常のものと異なる食感

とちおとめは、あまおうに比べ、
若干シャキッとした食感です。
あまおうが柔らかいという言い方もできますが。

この職人のとちおとめの食感は、
当たりはシャキッとしつつも、
スッと抵抗なく歯が入っていくような、
心地よい柔らかさです。
もろい、崩れているような柔らかさではありません。

その秘訣は、栽培方法にあるようです。

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たった3軒しかおこなっていない栽培法

畑の段階で、余分な水分を抜いていくような方法を取っているそうです。
その為、身が崩れにくく、自然完熟を待つことができるとのことでした。

とはいえ、白く硬いままで出荷されるものよりは、
収穫しにくく、衝撃に弱い。
そのため、通常の苺の箱より、コストがかかった、頑丈なつくりとなっています。
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そうして出来上がる苺は、
品質はとても良いが、生産量も少なく、コストがかかり、
結果、高い価格を付けることとなります。

それを行なう、栃木県壬生町「七ツ石いちご職人会」は、
たった3軒の誇り高い職人です。

あまおうも良いけれど

トゥルモンドがクリスマス時期のみに使用する、
福岡県産あまおうも、
芳醇な香りと、深い味わいが素晴らしいです。

ただ少し、酸味が強くなってきた気がします。
以前は、とちおとめの方が強かった印象がありますが。

とはいえ、生クリームにも負けない存在感と、
柔らかい果肉などは、
まだまだ王様の風格があります。

東京では当店だけしか使用していない気がします

職人のとちおとめは、流通数が絶対的に少なく、
お歳暮などの贈答用以外では、
一般フルーツ店に並ぶことは、ほぼありません。

そんな贅沢な苺を、贅沢な量でサンドしているのが、
当店のショートケーキとなります。
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いま作れる最高のものを、常に目指していますので、
これからもよろしくお願いします。

レシピの最新版を公開しています。

https://note.mu/sakashita

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