国内産バターの不足
2016/03/27
国内産バターの入荷が制限され始めました。
仕入れが、昨年の5~7割となる見込みです。
バターを緊急輸入するくらいです。
「バター7000トン追加輸入」(日本農業新聞)
農林水産省の「牛乳乳製品統計調査」(リンク)を見てみますと、
生乳生産量 | バター在庫量 | |
昨年(平成25年) | ||
1月 | 64万4121トン | 2万1887トン |
2月 | 59万4620トン | 2万2156トン |
3月 | 66万4447トン | 2万3469トン |
4月 | 65万222トン | 2万4368トン |
今年(平成26年) | ||
1月 | 62万6346トン | 1万9112トン |
2月 | 57万2501トン | 1万8209トン |
3月 | 64万3041トン | 1万7317トン |
4月 | 62万6764トン | 1万7248トン |
なので、バター在庫量に輸入量を足すと、
昨年並みになるので、そういった数量なのでしょう。
それで、バター不足になった原因で、よく説明されているのが、
「酪農家不足」です。
ざっくり言うと儲からないので「後継者不足」や「廃業」ということらしいです。
ただ、今回のバター不足の原因は、本当にそこなのでしょうか?
上でも参考にした「牛乳乳製品統計調査」から、考察してみました。
「平成20年1月から平成26年4月までの生乳生産量(トン)」の表です。
生乳というのは、牛の乳を、搾ったまま何の加工も加えられていないものを指します。
これが、牛乳や、バター、生クリームなどの乳製品になります。
平成23年は震災がありましたが、
影響は、小規模であったことが読み取れます。
上記の表は、見づらいので、平成25年1月からの表にしました。
読み取りたいのは、生乳生産量が、
『平成25年は、24年とほぼ横ばいで、26年は、3~4%の微減であること。』です。
(25年の右横の“昨年”は24年を指し、26年の右横のものは25年を指します。)
もちろん、平成20年から比べると、25年の時点で6%減なので、
酪農家または乳牛の減少が読み取れます。
同様に「バター生産量」も調べました。
読み取りたいことは、
・バターの生産量が、生乳の生産量と同じ割合で推移しないということ。
・H25で、1~6月まで、大幅な増産しているにも係わらず、
7月より減産し、最終的に昨年比99%の生産にした。
(H24.1~6は、38867トン。同H25は、40923トン。対比105%)
昨年対比の考察になってしまいますが、
平成25年7月以降は、生乳生産量が1~4%の微減にも係わらず、
バター生産量が4~13%の大幅減となっているんです。
そのままの流れが平成26年も続いています。
これは、「酪農家または乳牛の減少」のせいでしょうか?
ちなみに、年度別での累計表をつくってみたのですが、
「生乳生産量」はゆるやかに減少を続け、
「酪農家の減少~」を裏付けることにはなるのですが、
「バターの生産量」は、そうはならず、違う原因を探る必要がありそうです。
その調査は続けるとして、
現状は、最低でも来年の4月くらいまでは、このバター不足が続くと言われています。
どうしても影響は出てきますね。
次の記事
国内産バターの不足 2