【パティシエ希望の高校生の方へ】高校生の方から、パティシエになりたいという応募がありました。
2016/10/06
先日、高校生の方から、応募がありました。
その事について、私見を述べたいと思います。
まずは、頂いた応募内容です。
私は○○の高校生です。パティシエになりたいと思っています。
ですが、私立高校なので専門学校に行くのは難しいです。
私的にも、専門学校より見習いとして修行を積みたいと思っています。
なので受け入れてもらえませんか?
もし受け入れてくださるのであれば、両親に相談してそちらで見習いをさせていただきたきたいです。
学校はやめる形となると思います。とても自分勝手ではございますがよろしくお願いします。
私は、こう返信させて頂きました。
それではまず、面接をとりおこないたいと思います。
もし雇用するとなれば、ちゃんとした雇用形態となります。
私自身、専門学校には行っておらず、技術吸収のためには、
パティスリーで働く事を、早ければ早い方が良いと思いますし、
専門学校分の費用も、生活費に充てた方が、よろしいと思います。
取り急ぎ、ご連絡差し上げました。
ご両親の承諾書も必要となってきますので、まずは、ご両親を話し合いを持たれることを、お勧めいたします。
その後、話し合いを持たれたそうで、結果、ご両親の意向もあり、辞退なされました。
今の年齢で、将来の夢に向かって行動できるという事に、敬服しました。
私は同じ頃、バスケが上手くなる為だけに動いていた気がします。
パティシエの仕事としてだけを考えますと、お店で働き始めるのは、
早ければ早いほど、良いと思います。
パティシエと言っても、ケーキを作れれば、それで安泰という訳ではありません。
これから、どんどん専門の知識、技術、経験が必要となってくるでしょう。
チョコレート、アイスなどは、専門店ならではの効率化、高い技術、それらを補う設備があります。
また、大きなお店と小さなお店では、考え方も、仕事の流れ方も、まるで違ったりします。
それぞれの場所でしか、経験できないものが、確かにあります。
「手に職」と言われる技術系の職種では、仕事の経験、崩していうと、仕事に対する理解と慣れがものを言います。
学歴は関係ありません。
私は大学に進んでいますが、それを言うと、逆にアウェイ感を感じます。
じゃあ、私が親の立場だったら、どうするでしょうか。
間違いなく、反対するでしょう。
高校までは、勉学もさることながら、交友することが大切で、それを含めた高校生活が大切だと思うからです。
ただし、私は楽しかった高校生活ですが、全ての人にとって、高校生活は楽しいものではないこともあるでしょう。
抜け出す手段が、先を見据える行動であれば、手を差し伸べるべきだと思います。
それに、歴史を変える人は、他の人とは違う、ほんの一握りの人たちです。
常識に当てはめてしまう事は、そういう方たちを、抑え込んでしまうかもしれません。
その2つの理由から、ひとりの応募者として、面接を行なう段取りを取らせて頂きました。
そこで、折衷案として、こういうものを提案します。
アルバイトが可能な学校であれば、近くのケーキ屋さんでアルバイトする。
パティシエとして、最初に習得する必要があるのは、
自分のお菓子を購入してくださる、お客様への接客能力です。
箱詰めやラッピングなどのスキルはもちろん、熨斗の種類や各行事に対する理解、接客の言葉づかいや立ち振る舞い、
英会話のスキルが少しでもあれば、万全ですね。
どのパティスリーでも、1年目の仕事の主要な部分となるため、これを習得しておくと、いきなり差が出ます。
料理に率先して参加する
ナイフや包丁に慣れてください。火の扱いももちろんですね。
昨今のパティスリーでは、意外にもフルーツをあまり切る機会が少ないです。
というのも、フルーツは価格が高く、なのにケーキに飾ると、フルーツでごまかしている、とか思われたりします。
私は母子家庭でしたので、美味しいものを作っていた気はしませんが、包丁や火の扱いは、自然と慣れていました。
トゥルモンドでも、ピーラー(皮むき器)の使い方さえ知らない方ばかりというのが、信じられません。
家事を手伝ってくれる。フルーツをカットすれば、美容にも良い。お母さんも大助かりです。
その他
先述した英会話などは、パティシエ以外でももちろん役に立つスキルです。
パソコンのスキルも欲しいですね。
未だに手書きでレシピを書いたり、計算をしたりなど、理解しがたいです。
一般的に必要とされるスキルは、パティシエは持ってないことが多いので、習得しておくと、大いに役立ちます。
それに、私は常日頃から、私自身に何かトラブルがあったとき、それでも周りの生活を変化させないよう、その他のスキル習得を心がけています。
質問者の方であれば、進む道を変更したい、せざるを得ない事になった時に、そういうスキルは助けてくれます。
ひとつ余談ですが、将来パティシエになりたい、ということで、家庭でお菓子作りをなさっている方を多く見受けられます。
それはそれで良い事ですが、料理してますか?手伝ってますか?
本来、お菓子と料理は切っても切れない関係です。
料理のスキルや知識は、お菓子にも非常に役立ちます。
それに、母親から学べることも沢山です。
質問者の方と話せる機会がなさそうなので、ブログに掲載させて頂きました。
また、同じようなことで悩んでいる方も、沢山いらっしゃることでしょう。
重ねて言いますが、純粋に「パティシエとして」だけみるのであれば、お店には早く入ることにこしたことはありません。
遅くなれば、勉強の時間もどんどん無くなり、夢はむしろ狭く遠ざかります。
ですが、「パティシエとして」以外のことを考えると、今しかできない経験をしないというのは、人生としては、寂しくなるような気がします。
そこで、今しかできない経験をしつつ、それ以外の時間を有効活用することが、ベストではないのかなと、凡人の私は、思います。
素晴らしい後人が居る事を嬉しく思いますし、美味しいお菓子が生まれ続ける日本の未来に、幸せを感じます。
頑張ってくださいね!