油っぽいタルトができる理由。
タルトを焼いたのはいいけど、何か油っぽい。そんな時に、検討したい要因をご紹介します。
タルト生地が乳化していない
プロの方では、さすがにこんな失敗は無いと思いますが、
生地づくりは、ただまとめるだけ、と思っていると、上手くいっていない事もあり得ます。
小麦粉の量も多いですし、乳化しやすいだけなんですけどね。
また、サブレと違って、卵の後に小麦粉を入れるという順番なので、
よほど適当に合わせない限りは、まず失敗しません。
ただ、適当に合わせた生地でも、いつもより、ちょっと触った感じが柔らかいな、と思う程度で、あまり気が付かないでしょう。
タルト生地が古い・使い回ししている
タルト生地を作って、一晩寝かせた時点が、一番良い状態です。
適度に空気も含み、食感も良いです。
これを、冷蔵庫に長い期間入れたままですとか、
伸して、使った端をまとめて、またこれを伸してなどの使い回しを、数回繰り返したものは、空気も抜け、乳化も崩れていきます。
空気が抜ければ、詰まった食感となり、分離していれば、油っぽく感じます。
クレームダマンドが分離している
タルトに詰めるクレームダマンド(アーモンドクリーム)は、乳化させなくてはなりません。
これは、意外とプロでも分かっていない方がいらっしゃいます。
昔は、クレームダマンドには、小麦粉が配合されていることが良くありました。
軽く、パフっとした食感となります。
小麦粉が入ると、水分を吸収するので、乳化しやすいです。
しかし現在は、小麦粉が入るレシピは少ないでしょう。
バターと卵とアーモンドプードルと砂糖という、基本はシンプルな配合となります。
乳化が難しい組合せです。
材料の温度や、合わせ方に注意を払い、乳化させる意識が強くないと、分離したものが出来あがります。
これを焼くと油が出て、それをタルト生地が吸うので、油っぽい味となります。
クレームフランジパーヌが分離している
フランジパーヌとは、ダマンドとカスタードを合わせたクリームで、
ダマンドよりも柔らかく焼きあがるのが特徴です。
このフランジパーヌですが、基本的に冷凍はできません。
正確に言うと、冷凍したものとしていないものは、同じ状態ではありません。
ダマンドが分離したものでも、焼けることは焼ける為、違いを気にしないところでは、冷凍しています。
たまに、カスタードだけの状態で冷凍しているところもあるらしいですね。
最低でも、タルトに絞った状態での冷凍をお勧めします。
まとめ
タルトが油っぽく感じる一番の理由は、ダマンドやフランジパーヌが分離している事です。
クレームダマンドは、乳化がしっかりしている状態でも、油はそこそこ出ます。
乳化していてもこうなので、していないものは、目も当てられません。
シンプルなものほど難しいのですが、ある程度、形にはなってしまう為、追究する人が多くない現状です。
プロの方は特に、アマチュアの方が書く記事やレシピを、鵜呑みにしないようにしてくださいね。