パティシエ 坂下寛志 Pâtissier Sakashita Hiroshi

牛乳の代わりに、全て生クリームで作ったら、とても濃厚なプリンになりました。

      2016/10/03

_mg_3376濃厚なプリン。
プリンを探究するものの、ひとつの答えが『濃厚』です。

昔は、プリンは牛乳で作っていました。
それに、もっとコクを出そうということで、牛乳の一部を生クリームに置き換えるレシピが登場してきました。

さらに、卵のコクを増やす為、卵黄を多く入れる、または卵黄のみで作る、クレームブリュレなどのレシピも現れました。

その流れで、トゥルモンドでは、「生クリーム、卵黄、砂糖、バニラ」のみで作る、濃厚プリンを発売開始しました。
生クリームだけというのは、おそらく世界初なのではないでしょうか。

今までの概念でいうと、非常にくどくなりそうです。

しかし、これは材料とレシピの進化によって、強い風味とコクを残したまま、すっきりと堪能できる仕上がりとなりました。
まるで、ひとつのケーキを食べているかのような、舌の満足感です。

卵も、卵黄だけで、作る事にしました。
卵の味わいが、卵黄だけの方が強いというのは、言うまでもありません。

そして、あのとろけるような食感は、卵白を入れると、実現できません。
卵黄だけですと、しっかりと火入れをして、軽く「す」が入っても、滑らかさには、全く問題がでません。

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バニラも、当たり前のように、しっかりとした量を加えました。

多ければ多いほど良いというものでは、もちろん無いですが、
価格が超高騰状態のバニラで、エッセンスのみを使用するお店もある中、
贅沢に使用しました。

カラメルも以前より濃くしました。

カラメルを濃くすると、プリンの味わいが負けてしまう事が多いのですが、
「生クリームプリン」が非常に強く、カラメルもしっかり強いものにすることが出来ました。
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今回は、生クリーム、卵黄、バニラと、
どちらも仲良しで手をつなぐようなハーモニーではなく、
バトルロワイヤルをへて、強者の認め合いの握手のような、共存を目指しました。

そして、容量も120㏄と、以前の80㏄の1.5倍量です。

これは、80㏄では物足りなかったことと、80㏄では高価格になってコストパフォーマンスが良くなさそうだったからです。

味も濃く、両々も多いので、一般的なプリンと同じように接すると、痛い目に合います。
ケーキを食べるぞ、という意気込みのもと、挑んできてください。

まあ、ケーキと違い、瓶入りで蓋もあるので、2日に分けて楽しむのが、私のおススメです。

※120ccから100ccに変更いたしました。(2016.10.1)

レシピの最新版を公開しています。

https://note.mu/sakashita

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