パティシエの働く時間を短くしよう。1
2016/10/05
皆さん、特に下積み中の皆さん、がっつり働いてますか(笑)?
ケーキ屋さんのパティシエの勤務時間‥‥大変ですよね。
トゥルモンドでも、朝は7:30から、夜は19:30~20:00になります。
一般の皆さん、これでも短い方なのですよ。
驚きですよね。
有名店でも、朝は5・6時から、夜は「今日中に帰れるの?」というところも、
たくさん、ほんとにたくさんあります。
イベント近いと、2ケタ日連勤とかもありますからね。
それで、給与も低いし、社会保険・厚生年金がついてこなかったり(笑)。
いや、笑いごとじゃないのだけれども。
スタッフからは、
オーナーやシェフは、働いた分還ってくるし、好きなことをやってるから、
沢山働いても大丈夫、なんて思われたりもしますけど、
働かざるを得ない状況だったり、やりたいことを選りすぐってやってたりします。
なんで長時間労働になるのか
それで、なんで長時間労働になるのか、というと、
ざっくり簡単にいうと、利益が少ないから、これに尽きてしまいます。
利益が大きいのであれば、人数を入れればよいし、
機械を導入したりすれば良い。
利益が少なくなるのは、原材料が高いというのも一つですが、
「商品価格に、人件費が含まれていない」事と、
「安くしないと売れないのではないか」という心理のせいだと思います。
商品価格に、人件費が含まれていない
シェフとしては、
人と違うものをやりたい、
高くても美味しい材料を使いたい、
凝った構成をしたい、
驚くデザインをしたい、などなど、
自分のお菓子として、世に出す以上、たくさんの想いがあります。
しかし、その想いの分だけ、価格に反映させていない方も、多くいらっしゃいます。
凝った構成、驚くデザイン、細かな工程を踏めば、
作業時間が膨大に増えます。
そんなケーキが¥600を下回っては、基本的に難しいと、思っています。
(この辺の計算は、今度しっかり考えてみたいと思います。)
材料の原価計算は、必ずするとして、
この一連の作業で、いくら分の商品ができるかは、頭をまわしておきたいところですよね。
「安くしないと売れないのではないか」という心理
これは、私もよく不安になります(笑)。
ですが、売れない時は、安くても高くても関係ないのですよ。
自信持ったケーキで、価格も適正だと思っても、売れない事なんてざらですし。
安くするためには、同じ給与で長く働いてもらうか、材料を安くするしかない。
材料を安く叩くと、結局良い材料が上がってこなくなりますし、
材料のランクを落とせば、味まで落ちます。
では、売れる為にはどうすれば良いか?
これは、誰か私にも教えてください(笑)。
立派な技術者になる為に
たくさん経験を積まないと、立派な技術者に成れない、というのは正しいけれど、長時間労働をしなければならないのとは別問題。
眠い・疲れた頭でする作業より、
しっかりした状態でした方が、還ってくるものも多いです。
沢山の薄い経験より、
少しの濃い経験の方が、良い気がします。
もちろん、練習は必要ですけどね。
休むのも仕事
クリスマスを徹夜とかでしてしまうところは、
普段なら1時間で終わる作業が、眠くて1時間半~2時間になってしまう事も。
そんなの、徹夜なんてしないで、一旦寝れば良いのですよ。
うちでも、何か作業で失敗して、責任感じて残業したけど、
次の日、その疲れでまた違う失敗したり。
別にうちだけの話でなく、下積みスタッフあるあるだったりします。
そんなの面倒なだけなので、むしろ帰って寝てもらいます。
休みの日もそうなのですが、
休む、というものの使い方が分かってない方が多いです。
休み前までの休みではなく、
休み後の為の休みです。
良い順回転していくために
サッカーで言えば、
次の試合に、しっかりゴールを決める為の休みです。
ピッチにダッシュで駆けて入って行くためです。
体から疲れを抜く為だけではなく、
体を整え、時にはトレーニングも必要です。
ピッチにだらだら入って行く状態で、
すでにいいパフォーマンスなんてできません。
ましてやゴールなんて決めれません。
そんな状態では、監督に怒られるでしょう。
スタメンから外されるかもしれません。
そのうち、なんでサッカーやっているのか、自問自答の始まりです。
良いパフォーマンスが出来れば、
ゴールを決めれば、
周りの見方や信頼も変わり、自分の目標も、高いものへ移っていくでしょう。
このような順回転の始まりは、休みだったりします。
パティシエにクリスマスを
少し余談ですが、クリスマスは、トゥルモンドはしっかり寝ます。
この期間はさすがに、家に帰って、最低限の事しかしないように、となるので、普段より、睡眠時間は多かったりします。
就寝・起床時刻が違うので、その分はつらいのですが。
将来、25日は午前中しか営業しないようにするつもりです。
パティシエもクリスマスを、少しだけでも、過ごしたいじゃないですか。
次回は
気づいたら、とても長い提案になってきてしまい、
2つに分けることにしました。
パティシエの皆さんに頑張ってほしい、
夢と希望のある業界になっていってほしい、
そんな気持ちから、
購買意欲が湧くわけでもない記事を、次回もどうそ。