パティシエ 坂下寛志 Pâtissier Sakashita Hiroshi

グラサージュ ショコラ 1

   

_MG_1933グラサージュ ショコラ(Glaçage au chocolat)とは、ケーキにかける、柔らかいチョコレートの上掛けの事です。
“鏡”という意味の“ミロワール”も入れて、グラサージュ ミロワール ショコラ、とも言います。
光沢を表現しています。

さて、このグラサージュは、
光沢や色が重要‥‥では無くは無いのですが、
それよりも、味を優先されてほしいな、と常日頃思います。

甘い

ほとんどのものが、“甘い”ですよね。
光沢は、実は砂糖(水あめ、転化糖含む)のおかげです。
甘さを控えめにするために、砂糖を減らすと、
光沢の出ないものに変わります。

煮詰めて糖度を上げるレシピもありますよね。

あの甘いものによって、ケーキの味が何が何だか、というのは、
本末転倒ではないですか。

黒い

黒いグラサージュも多いです。
「漆黒」と書くと、格好良さげであったりしますが、
本来のチョコレートの色とはかけ離れているため、
あまり良くないように思います。

ココアパウダーをたっぷり入れて、煮詰めると黒くなります。
黒の色素を入れたりなんてする方も、いらっしゃいます。

チョコレートの色を生かしたグラサージュが、
ケーキという、口にするものにかけるべき色かと思います。

余談ですが、赤いグラサージュは酸味があってほしいと思うのは、
私だけでしょうか。
果実を入れて、その味を生かしたうえで、赤くしてほしいですね。色素ではなくて。
phの問題で、難しいのは分かっていますが。

既製品

既製品を使用しているところも、よくありますね。
本当に、美味しいですか?
冷凍耐性が欲しいのは分かります。

既製品が悪いという訳ではなく、
出回っているもので、美味しいものは一つもありません。

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ココアを使わず、チョコレート(カカオマス)で作ろう

ココアパウダーは、ココアケーキを、粉砕してパウダー状にしたものです。
※ココアケーキ‥カカオマスからカカオバターを一定量抜いたもの

カカオバターが、ある程度抜かれているので、
カカオマスより色が濃く出ますが、
空気に多く触れているので、風味は乏しいです。

よくあるグラサージュショコラのレシピは、
ココアパウダーを使うものです。

先のココアパウダーをたっぷり入れて、煮詰めるタイプのものだと、
風味が乏しいのに濃い、そんな変なものが出来あがります。

よくあるグラサージュショコラのレシピは、
ココアパウダーを使うものです。

これを、カカオマス主体のものにすると、風味がぐんと良くなります
グラサージュって、美味しいものなんだ、と思うはずです。

次回

そんなわけで、次回は、トゥルモンドで使用していますレシピの紹介したいと思います。
※補足。時期によって、使っていない時もあります。ちなみに、今は、グラサージュショコラを使っていません。

レシピの最新版を公開しています。

https://note.mu/sakashita

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