パティシエ 坂下寛志 Pâtissier Sakashita Hiroshi

アングレーズソース・バヴァロワのゼラチンのタイミング

   

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バヴァロワやムースなどを作る時に使う、アングレーズソース。
アングレーズを炊くときに、ゼラチンやジュレデセールなどのゲル化剤を入れますが、
投入のタイミングは、シェフそれぞれ違ったりします。

私が、プードルクレームなども含めて、ゲル化剤を入れるタイミングは、
80℃まで温度を上げた後です。

ゲル化剤によっては、60℃くらいから粘度が出てくるものもあり、
これによって、余計な気泡が入ってしまうからです。

また、ゼラチンも、加熱によって、効果が弱まるとされています。

ゼラチンを先に加える方々の意見としては、下記のようなものです。

・ゼラチンに含ませた水分を飛ばしたい。
・ゼラチンも殺菌したい。
・ゼラチンの匂いを取りたい。

あの加熱温度で、ゼラチンの水分が飛ぶとは、あまり考えにくいのですが、
水分が気になるのであれば、配合の牛乳の一部を生クリームに置き換えるのが、有効です。

ゼラチンを加えると、80℃以下に温度が下がるので、殺菌効果は薄いです。
しかし、ゼラチン自体、そこまで気にする事はないかな、と思います。
それであれば、冷やした後に加える生クリームの方が、細菌数は多いでしょう。

また、ゼラチンをふやかすときは、冷蔵庫で短時間とすれば良いでしょう。

ゼラチンの匂いは、そういう加熱では取れることがありません。
これは、ゼラチンそのものを、グレードの高いものを使いましょう。

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という訳で、デメリットを出してまで、ゼラチンを先に加えることは無いと思います。
しかし、勤務しているところのレシピが、先入れの方法であれば、
それを継続する方が良いです。
効果が出過ぎて、強く固まるおそれもありますからね。

今回も、ニッチな記事でした。

レシピの最新版を公開しています。

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