パティシエ 坂下寛志 Pâtissier Sakashita Hiroshi

『和栗のモンブラン』(和栗とビターショコラタルト)

      2016/01/24

20150626_188939
『和栗のモンブラン』
熊本県産和栗のクリームを、
ビターショコラのタルトの上に、たっぷり絞りました。
中には、愛媛県産栗の渋皮付甘露煮を入れて、
上面には、生クリームを絞りました。

国産の和栗のみを使用しています。

一般的に栗をいうと、韓国産、中国産が多く、
和栗でも同様に、国外産の和栗を使用しているところもあります。
(和牛がオーストラリア産のものがあるのと、同じです。)

それの是非はともかく、当店の和栗は、国産のもののみです。

クリームは、ほとんど栗そのもの

和栗のクリームは、
熊本県産の和栗を蒸してペースト状にし、
それに少量の生クリームと、ラム酒を加えただけの、
ほとんど“栗”のクリームです。

一般的な“モンブラン”で使用される栗のペーストは、
フランス産のものが多いのですが、
保存などの理由のため、
甘味の強いものが多いです。

ですので、
栗のクリームが甘かったり、
中心の生クリームが無糖であったり、
また、栗のクリームに、多くの生クリームが入ってたりします。

ですが、当店の場合は、
栗のクリームには、糖分が少なく、栗の割合が多いです。
その分、高価にはなっていますが、
どこにも負けない美味しさがあるクリームです。

Sponsored Link

より、栗を堪能してもらうために。

モンブラン特有の蕎麦状のクリームにしないのも、理由があります。
当店のクリームは、
水あめ、転化糖などの、水分を保つための糖分を使用していないため、
乾燥が激しいからです。

同じような、和栗のクリームを使っているお店のモンブランが、
『賞味期限1時間』など、極端に短い期限設定するのは、
そういう理由です。

蕎麦状にすると、空間が数多くできるので、
使用クリームは少なくなり、食べ応えにかけるため、
普通の星口金で絞っています。

トップに生クリームを構成したのは、
フォークの入りやすさの観点からです。

また、栗のクリームの甘さが控えめなので、
生クリームにも、甘さを加えております。

無糖の生クリームは、
脂肪球的に不安定な為、脂分を感じやすいため、
ある程度の砂糖を加えています。

最後はビターショコラで引き締める。

土台は、
よくあるメレンゲだと、栗の味わいに負けるだけで、
強い甘味は、必要としないので、
ビターなショコラタルトとしました。

プチガトーの中では、一番高価でありながら、一番販売数が多いです。
これから、もっと美味しく感じる時期なので、ぜひ愉しんでください。

レシピの最新版を公開しています。

https://note.mu/sakashita

 - プチガトー