パティシエ 坂下寛志 Pâtissier Sakashita Hiroshi

テリーヌショコラには赤ワインを

      2016/02/08

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テリーヌショコラの口どけを決めるのは、
カカオバターの量、焼き具合、水分量の3つです。
濃厚なのと、重いのは違います。

口の中にずっと残るような、
または、一人分しか食べてないのに、後々気持ち悪くなるようなものが、
『重い』という状態です。

特に注意したい水分量

チョコレートのテリーヌのレシピで、
水分量が少ないものが多々見受けられます。

<一般的なレシピの材料>
・ビターチョコレート
・無塩バター
・卵
・グラニュー糖
・薄力粉

バターを多くすると重くなりますし、
卵を増やすと、食感が羊羹みたいになっていきます。

ですので、そもそも増やせるものが無くなるんですね。

私が前職でテリーヌショコラを開発したとき、
この重さが問題でした。
そこで、赤ワインを加えたところ、
水分が増えすっきりとし、風味も華やかなものが加えられました。

水分を増やすためには、牛乳でも良いですし、
あえてミネラルウォーターを加え、チョコレート以外の風味を足さない、
という考え方も、良いかと思います。

私が赤ワインを選んだのは、
当時、赤ワインとチョコレートの組合せが、気に入っていたからです。
プチガトーにしたこともありますし、

ミルクチョコレートとカロンセギュールを合わせて、
ボンボンショコラにしたこともありました。

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プロでも難しいテリーヌショコラ

テリーヌショコラは、材料もシンプルで、
工程も、簡単に言えば、混ぜて焼くだけです。

ですが、そういったもの程、他店との差ができやすく、比べられやすいので、
そういった意味で、難しい商品と言えます。

個人的には、中に何かの具材を入れ込む必要は無いと思います。
また、塩やコショウなどのアクセントも要りません。
そのもの単体で勝負したい一品です。

レシピの最新版を公開しています。

https://note.mu/sakashita

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