パティシエ 坂下寛志 Pâtissier Sakashita Hiroshi

トリュフやボンボンショコラの袋に、脱酸素剤を。

      2016/01/24

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そろそろバレンタインの時期ですね。
手作りされる方も、多いのではないでしょうか。

最近は冬でも結構気温が高く、
今年はさらに暖冬らしいので、
ボンボンショコラ、トリュフのようなチョコレート製作に、
気を付けて臨んでほしいです。

カビが発生しやすいボンボンショコラやトリュフ

ボンボンショコラやトリュフは、
日持ちしやすいと考えている方が多いです。

しかし、味の劣化はもちろん、カビも発生しやすいチョコレート菓子です。

元々は日持ちしやすい菓子だったのですが、
状況の変化により、かなり危ないものに変わってきました。

ガナッシュの水分量が多い

よりとろける食感を求め、水分量の多いものが増えてきました。
モールドものに多い傾向です。
水分量が増えれば、菌の増殖速度は上がります。

アルコールの添加をしていない

お子様でも召し上がることができるようにと、
アルコール微量使用または無使用が、多く作られています。
もちろん、日持ちはしなくなります。

涼しい場所で保管していない

気温はもちろん、室内も暖かく、
また百貨店では暑いくらいです。
催事出店しているところでのカビ発生は、
毎年1~3件くらい聞く気がします。

正しい手順で作成していない

酸素に触れると、菌は繁殖します。
ガナッシュをしっかり寝かさない、
クリスタリゼさせない、
コーティングにヒビや穴がある等、
正しい手順で作れていないところも多いです。

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脱酸素剤を使ってほしい

昨年、ボンボンショコラを入れる袋に、
脱酸素剤も一緒に封入しました。
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いくら製造時に気を付けても、
持ち運び時にヒビが入ったり、
涼しくないところで保管すれば、危険度がぐっと上がります。

味をあまり変えたくなく、安全を意識するのであれば、
脱酸素剤は、かなり有効な手段だと思います。

また、酸化も防ぐことができるので、
ホワイトチョコや抹茶などの良い風味を保ち、変色も防ぎます。

手作りでは、冷蔵保管を強くお勧めしますし、
準プロの皆さんや催事出店される方々には、
脱酸素剤の使用をお勧めします。

レシピの最新版を公開しています。

https://note.mu/sakashita

 - ボンボンショコラ・トリュフ, 脱酸素剤