パティシエ 坂下寛志 Pâtissier Sakashita Hiroshi

『フェリシテ』(苺のムースとレアチーズ) 1

      2016/01/24

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『フェリシテ』
・苺、ミュール、パッションフルーツを合わせたムース
・ビスキュイジョコンド
・レアチーズ
・クレームダマンド
・苺とフランボワーズのナパージュ

あまり好きではなかった苺のムース

苺のムースのケーキは、どこのお店でも大抵あり、
沢山の店に食べ歩きに行っていたので、
必然的に、沢山食べた味です。

いつからか、食べたくなくなりました。

苺のピュレ単体に、
イタリアンメレンゲを入れて、
泡立てた生クリームを入れて、
ゼラチンで固める。

これの味が薄いかどうか。
目が粗いか細かいか。
硬いか柔らかいか。

どれも似たような感じなんですよね。
そして、苺をそのまま食べたほうが美味しい、と思っていました。

好きな感じが作れるように、
なぜ好きでないかを、良く考えたものでした。

メレンゲを入れない

私が作るムースには、今のところどれも、
イタリアンメレンゲが入っていません。

軽さは、生クリームを脂肪分35%で、
脂肪球を細かくされているものを使えば、
十分だと思います。

メレンゲを入れると、どうしても味は薄まりますし、
あの食感と味が好きになれません。

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フルーツピュレ(果汁)はたっぷりと

メレンゲを抜いて、ピュレを多く配合することで、
みずみずしい果汁感のあるムースとなります。

他のムースでは、木苺、ブルーベリー、マンゴー、パイナップルなど、
果肉も入れ込むこともあります。

ピュレだけでも、そのレシピには意思が

ムース部分が、そのケーキの主役なのか脇役なのかによっても変わりますが、
私のレシピでは、2~3種の混合が普通です。

パッションフルーツで酸味と華やかさを、
ミュールで奥深い味わいと果肉感を加えています。

通常のピュレの少ない配合量でこれをすると、
苺の味がぼやけるだけです。

また、単にピュレといっても、各メーカーで味の濃さ、風味の良さなど、
色々ありますので、熱心に比較することをお勧めします。

どのメーカーが良いという訳でもなく、
フレーズは○○、カシスは◆◆など、
有名無名に関わらず、比較検討してください。
チョコレートと同じですね。

ちなみに、
アフィーナの苺のムース部分は、苺のみです。

こうやって、苺のムースでも、そのケーキにあったレシピで作成されています。
なので、色んなレシピ本から寄せ集めた部品で構成されるケーキは、
主張がなく、バランスが悪くなるわけです。

次回は、名脇役たちにスポットをあてたいと思います。

レシピの最新版を公開しています。

https://note.mu/sakashita

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