小麦粉をふるう時のコツ
2016/02/05
私たちプロは普通の事でも、
一般の方だと良く分からないという事がありますよね。
今回は、『小麦粉をふるう』作業に、焦点を当ててみたいと思います。
なぜ篩うか
篩いを使って、小麦粉などの粉を篩うのは、なぜでしょう。
それは、以下4点の理由です。
・空気を含ませ、混ざりやすくする
・2種以上の粉などをあらかじめ一緒にし、均等に分散させやすくする
・異物を取り除く
ダマを無くす
薄力粉は、粒子が細かい為に、湿気などで結合しやすく、
あらかじめダマがたくさん存在します。
粉糖も、ダマができるのを多少軽減するように、
コーンスターチが少し配合されている、一般的な粉糖ならまだ良いのですが、
純粋に砂糖だけの純粉糖は、ダマが存在します。
このまま生地に入れると、そのダマは中々潰れてくれません。
サブレのような、硬めの生地でも難しいです。
ちなみに、強力粉、上新粉などは、粒子が大きくさらさらしているので、
ダマが出来づらく、篩う必要はありません。
さらさらしているのは、粒子が細かいわけではりません。
空気を含ませる
篩うことにより、多少空気を含んで、軽くなります。
なので、篩った後は、押しつぶしたりしないようにしてください。
また、通常の高さから篩えば(台よりも少し高く普通に篩いやすい高さ)、
空気は含みます。
大きくふるったり、凄い高さから篩う必要はありません。
むしろ周囲に散らばるので、やめた方が良いです。
2種以上の粉などを一緒にする
小麦粉とココア、ベーキングパウダーなど、
均等に少ない手数で分散させたいので、一緒にふるっておきます。
ココアは吸水性も大きいので、小麦粉と混ぜ、ダマにならないようにする、
などの意味もありますね。
異物を取り除く
入れ物に何かが混入していたり、
水分を結合し切ってしまって、
硬い固まりになっていたりすることがあります。
そういう危険があるときは、篩いたいですね。
ちょっとした間違っていること
【直前にふるう】
直前というのは、生地に混ぜ込む直前か、というと、
そうでもありません。
空気が抜けたり、室内の湿気でダマにならなければ良いのです。
ですので、15分くらい前でも、問題ありません。
それ以上前は、置いたことが無いので、分かりませんが。
作業のしやすいタイミングで、篩っておいてください。
【二度篩いする】
入れ込む生地が、すごく軽い生地であれば、
二度篩いする必要があるかもしれませんが、
基本的に、する必要がありません。
私は行なっておりません。
以前、グルテンを出さないようにと、
混ぜ合わせる回数を減らすために行なったことはありますが、
意味ありませんでした。
冒頭の画像も、ココア入りですが、二度篩いしていません。
プロの方であれば、
ベースの生地の配合や、小麦粉の種類を検討した方が、良いと思います。
レシピに出てこないこと
こういうことは、配合に出てこないので、
若年のパティシエも分かっていない事がよくあります。
細かい時間の無駄が、過剰な労働時間にも繋がりますし、
定説を鵜呑みにせず、一つ一つの作業も、理解を深めてほしいです。
今回は、かなりニッチな内容でしたね。