パティシエ 坂下寛志 Pâtissier Sakashita Hiroshi

ブランデーケーキ・ラムケーキのススメ 2

   

_MG_4265ブランデーケーキ・ラムケーキのススメ 1

生地に美味しさを入れ込む

それでは、使用材料を見てみましょう。

<材料>
全卵
加糖卵黄
蜂蜜
天然塩 ゲランドの塩
グラニュー糖
アーモンドプードル
バター
発酵バター
ラム酒55° マイヤーズラム コンフェクショナリー
薄力粉 ドゥノール
薄力粉 スーパーバイオレット
ベーキングパウダー アルミニウム不使用タイプ

卵は、卵黄を追加で配合しています。
これにより、コクが出ます。

柔らかい甘みと香りの為の蜂蜜。

旨味の為のアーモンドパウダー。

バターの一部に、発酵バターを使用。
お酒の風味を邪魔しない程度に、
全体の風味を底上げ。

生地にもラム酒を入れます。
そうすることで、シロップのお酒を強くしなくても、
全体からお酒の風味を表現することが出来ます。

小麦粉は、ススメ 1で記載した通り、2種類の薄力粉を使用。
灰分、蛋白質量は、「使用小麦粉まとめ」で確認ください。

シロップ

<ラムケーキ用>
グラニュー糖
ラム酒45° マイヤーズラム プランターズパンチ
<ブランデーケーキ用>
グラニュー糖
アルマニャック40° グッドリン・アルマニャックブランデー
・ナポレオン

どちらも、出来上がりアルコール度数を、約21°に調整してあります。

2種類のラム酒

生地に入れるラム酒と、シロップのラム酒が違うものという事に、
お気づきでしょうか。
生地の方は「マイヤーズラム コンフェクショナリー55°」。
_MG_4254通常は、40~45°のものが多いのですが、
これは、原酒を多く含む為、より深い味わいのタイプ。
つまり添加量が少なくて済むということです。

焼菓子などに入れ込む水分は、基本的に少ない方が良いです。
クッキーであれば、サクサク感が損なわれますし、
ケークであれば、内層が詰まった様になりやすいです。

また、コンフェクショナリータイプは、加熱しても風味が残りやすいです。
以前、白焼きチーズケーキに違うラム酒を使用していて、
これに切り替えたときに、ラムの風味が濃くなって嬉しい、と、
何度もお声をいただきました。

そして、浸み込ませるシロップの方は、
マイヤーズラム プランターズパンチ45°」。
_MG_4265コンフェクショナリータイプより、さらに長期間熟成させたものです。
そうすると、尖った部分が全く無くなり、
まろやかな風味で、長い余韻を楽しむことが出来ます。
加熱しないものは、こちらのプランターズパンチをお勧めします。
マイヤーズラム・宏洋株式会社HP

ルセット上だけでは見えないもの

どの材料も、何の為に配合するか、というものが必ずあります。
また、薄力粉やラム酒を例にして、なぜその商品を使用しているか、
という理由があります。

レシピを書き写しただけでは分からない、
そういう部分が重要なんですよね。

さて次回も続きます。
後々、配合も出てきますので、お楽しみに。

レシピの最新版を公開しています。

https://note.mu/sakashita

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