パティシエ 坂下寛志 Pâtissier Sakashita Hiroshi

フィナンシェの分離と対処法 1

   

_MG_2248フィナンシェは乳化させた状態のまま、焼き上げることが大切です。
ですが分離してしまったら、どうするか。

フィナンシェは、マドレーヌなどと違い、乳化状態を長い間保っていることが出来ません。
以前の記事、「フィナンシェの生地は休ませるか、休ませないか。 1」で詳しく書いてありますが、配合上、そういう風になっています。

_MG_2222このように分離してしまうと、
_MG_2223しっかり混ぜても、
_MG_2226乳化はせず、分離したままです。
_MG_2228

これを焼くと、
_MG_2248焼いている途中から油が出て、膨らまず、食べた感じも油っぽいものとなります。

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乳化状態を保つ為には、温かい温度を保ち続けるしかありません。
トゥルモンドでは、50℃のオーブンに入れて、温度を保っています。

それが出来ない状況ですと、生地が冷めてしまいます。
冷める前に、型に流せば問題ないのですが、冷めた後、絞ったり混ぜたりなどで負荷をかけてしまうと、生地は分離を起こしてしまいます。

生地が分離してしまったら、方法はひとつ。温度を上げなおすしか、ありません。
_MG_2231温度を上げて、ホイッパーできちんと混ぜると、
_MG_2234再度、乳化します。

・フィナンシェの分離と対処法 2

レシピの最新版を公開しています。

https://note.mu/sakashita

 - フィナンシェ, 製菓理論 ,