パティシエ 坂下寛志 Pâtissier Sakashita Hiroshi

『フェリシテ』(苺のムースとレアチーズ) 2

      2016/01/25

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『フェリシテ』(苺のムースとレアチーズ) 1

ゼラチン単体では固めない

ムースを固めるのに、ゼラチンだけで固めていません。
ジュレデセールなどの、
ゼラチン、砂糖、コーンスターチ等からなる、
ゲル化パウダーで固めています。

ゼラチンですと、張りが出るような固まり方をします。
一方ジュレデセールですと、滑らかな固まり方をします。

なので、食感としてとても良いです。
デメリットは、価格が3~5倍してしまいます。

※ジュレデセール(商品名)
 ジェルデセール、ジュレバヴァロワーズなども在る。いずれも商品名

ビスキュイジョコンド

アーモンドプードルが多めの配合です。
また、蜂蜜も配合されています。

アーモンドプードルを少ない、
乾いたような軽い食感のジョコンドもありますが、
あれはシロップを打つ前提の配合です。

このガトーではシロップを打たないので、
蜂蜜を加えしっとり感を出し、
アーモンドプードルで味に深みを加え、
主張する脇役として、組み込んでいます。

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レアチーズ

ムース部分とは違った食感で、
酸味を受け止めつつ、調和させたいという観点から、
ミルキーなレアチーズを採用しました。

ムースタイプではなく、レアチーズと生クリームに含まれる、
乳脂防だけで固めています。

クレームダマンド

一番底の土台はクレームダマンドです。
ここはジョコンドでもガトーとして成立します。

しかし、食後の、量としての満足感が欲しかったので、
クレームダマンドという、少し重めの層としました。

ジョコンドですと、少し物足りなくなってしまいます。

苺とフランボワーズのナパージュ

この部分は実は2層です。
味を追加するためのジャムを塗った後、
乾燥防止・艶出しのための透明なナパージュを塗っています。

味の為のジャムは自家製で、
フランボワーズの種を生かした配合となっています。

シンプルに、そぎ落として

一見、重ねる層も少ないので、作るのも簡単そうです。
私としては、あまり複雑化させるのは、綺麗に思えません。

一口の最初から余韻まで、じっくり味わって愉しんで頂けるような、
見た目では分からず、自分の舌で、色んな物を探り愉しむような、
そんな味の作り方を目指しています。

レシピの最新版を公開しています。

https://note.mu/sakashita

 - プチガトー