パティシエ 坂下寛志 Pâtissier Sakashita Hiroshi

苺以外のショートケーキ

   

_MG_0723ショートケーキと言えば「苺」というのは、もう古くなってきているのかもしれません。

夏からのショートケーキも、苺に無い美味しさのものが、続々登場します。

苺の時期は、5月で終了します。
トゥルモンドの今の時期は、3年目に突入の「赤肉メロン」と、今年からの「マハチャノック マンゴー」です。

もう少しすると「白桃」が始まりますし、その後「洋梨」の季節です。
洋梨も、オーロラ、バートレット、グランドチャンピオンなど、美味しい品種が目白押しです。

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昔は、夏でも「苺は無いの?」など、よく言われました。
しかし今は、「メロンはまだか」「洋梨が一番好き」「フルーツが変わるのが楽しみ」などの声が多く、
どうしても苺というのは、かなり少数派です。
お子様の為に、表面の飾りだけ、と言うような感じです。

今年の夏から「マハチャノック マンゴー」が仲間入りし、
メロンが苦手という方にも、とても好評です。

_MG_6429「赤肉メロン」は緑のものより、青臭さが少なく、甘味が強いのが特徴です。
果汁たっぷりなのも、瑞々しくて、今の時期はとても美味しく感じます。

酸味が無いので、味わいが単調になりがちですが、
それを補うために、表面にゴールデンパインを乗せて、バランスを調整しています。
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_MG_9774タイから空輸で入荷される「マハチャノック マンゴー」は、しっかりと熟しており、繊維質も少なめなのが、特徴のマンゴーです。

赤肉メロンは、酸味が無く、果汁がたっぷりというのが、人によっては好まない事もあります。
その点でいうと「マハチャノック マンゴー」は優等生です。

程よい酸味、果汁は苺ほどで、心地よい果肉感。

マンゴーというと、フィリピン産の酸味強めをイメージする人が多いようです。
また、フィリピン産マンゴーは、サイズが小さいのが多く、必然として果肉も薄く、細切れになったりします。

「マハチャノック マンゴー」はサイズも大きいので、食べ応えのある食感となるわけです。
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この時期からは、ショートケーキ以外のホールケーキも、良くご購入いただきます。
「ラクション」や
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「フェリシテ」は、特に人気です。
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しかし、ショートケーキは人気が無いかというと、全くそうではありません。
むしろ、年々増加している気もします。

今年は特に、メロンとマンゴーが選べるようになったからですかね。

苺は11月~5月の約7ヵ月間。
ですので、1年間の半分は、苺以外のフルーツです。

固定観念のショートケーキで、苺の代替としてのケーキを作るのではなく、
「生クリームとジェノワーズとフルーツ」の、3つのパーツの組合せのケーキという考えで、
味の表現を楽しみたいものですね。

フルーツを薄くスライスするのではなく、贅沢にごろごろサンドするのが、ひとつのコツです。
材料費がかかりますけどね(笑)

【合わせて読みたい】
・『ラクション』(レモン・マンゴー・蜂蜜・ピスタチオ・オレンジ・リモンチェッロ)

・『フェリシテ』(苺のムースとレアチーズ) 1

レシピの最新版を公開しています。

https://note.mu/sakashita

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