【プロレシピ】スイスメレンゲで作る『マカロンピスターシュ』を公開しました。
2016/07/24
マカロンのコック(皮)を作る時に、良く使用されるメレンゲは、
卵白に砂糖を入れて立ち上げただけの“フレンチメレンゲ”か、
熱いシロップを入れて立ち上げる“イタリアンメレンゲ”です。
それぞれの良いところがありますが、良くない部分もあり、私は“スイスメレンゲ”で作ります。
フレンチメレンゲのマカロン
良い
・柔らかく、口どけが良いものが出来る。
・コックの中身が、詰まったものを作りやすい。
良くない
・メレンゲがもろく、マカロナージュ加減が難しい。
・だれやすい
・生地が駄目になっていく速度が速く、大量生産に向いていない。
イタリアンメレンゲのマカロン
良い
・生地に安定感があり、だれにくい。
・マカロナージュの範囲が広く、加減しやすい。
・大量生産に向いている。
悪い
・シロップの煮詰め温度で、メレンゲの差ができやすい。
・シロップに水が含まれている為、食感がねちっとしやすい。
・コックの中身が潰れやすい。
スイスメレンゲのマカロン
良い
・生地に安定感があり、だれにくい。最後の1個まで、しっかり取れる。
・マカロナージュの範囲が広く、加減しやすい。
・大量生産に向いている。
・水分を加えているわけでないので、食感もねちっとしていない。
・メレンゲの状態は、いつもほぼほぼ一定。
・コックの中身が、詰まったものを作りやすい。
悪い
・メレンゲを作るのに、少し時間がかかる。
・冷蔵庫で1~2日寝かせないと、なじまない。
上記を見てわかるとおり、フレンチとイタリアンの良いとこどりをしたのが、スイスメレンゲタイプです。
なぜ、スイスメレンゲタイプが広まっていないのか、不思議なくらいです。
文献も乏しく、やっている人も少ない為、レシピが存在しない、
イタメレのもので満足している、こういった理由でしょうか。
というわけで、スイスメレンゲで作るマカロンのレシピを、初公開します。
【note】『マカロン ピスターシュ(スイスメレンゲ)』レシピ
スイスメレンゲで作るマカロンコックもさることながら、
トレハロースを使って作るバタークリームも、勉強になるはずです。
というのも、トレハロースはご存じのとおり、感じる甘さを抑えますが、
これを使ってマカロンを作る事はできません。
ですので、コックの甘さを抑えるのは、中々難しいことです。
しかし、バタークリームの方はそういう制約が無いので、甘さを抑えることが出来、マカロンとして一体になった時、ちょうど良い甘さのお菓子にすることが出来るのです。
スイスメレンゲのマカロン、甘さ控えのバタークリームは、コンクールなどでも取り入れたい手法だと思いますので、ぜひご参考ください。