東京でレモンケーキと言えば。
2016/07/07
先週新発売したレモンケーキ『リモーネ シチリアーノ』。
”レモンケーキ”を東京で買おうとすると、意外と見つからないものですね。
別のお店では、2軒しか手に入れることが出来ませんでした。
レモンケーキって、知名度ありますよね?
理由を考えてみたのですが、意外と「作りにくい」のだと思います。
味がありきたり
レモンケーキは、生地にレモンの何かを入れます。
果汁であったり、皮のコンフィであったり。
以前の記事でも少し話していますが、レモンの酸は、生地にかなりの影響を与えます。
また、生地は水分も嫌うので、果汁をたっぷりとは入れることが出来ません。
ですので、通常はレモンのペーストを入れます。
こういう濃縮ペーストは、香料が入っていたり、着色料が入っていたりします。
私は、化学合成の香料がとても苦手です。
口のなかに香水を吹き付けられたような、ずっと放たれる臭いで、すぐ口をゆすぎたくなります。
生地にレモンの味を付けることは非常に難しく、
何とかしようとペーストなどを配合すれば、より食べられないものに退化します。
また、価格を安くするために、スポンジ仕立てなどにすれば、
上記の問題は、より深刻化します。
トゥルモンドでは、たっぷりと果汁を練り込むことが出来る生地の製法を、一から考えました。
これのおかげで、ペーストなどに頼らず、自然のものだけで、しっかりとした味わいと香りを実現しました。
あまりに上手くいきすぎて、生地だけでは酸っぱい、というところまで、味を付けることが出来ました。
さらに、練り込むだけでは飽き足らず、焼き上がり後に、表面にレモン果汁シロップまで塗っています。
これにより、加熱されていない清純な香りが、さわやかに香ります。
「溶ける」問題
表面は、グラスアローなどのシュガーコーティングか、ホワイトチョコレートで覆います。
グラスアローは、季節に関係なく溶けてしまうんです。しかも早ければ当日中に。
溶けないグラスアローというのは、プロの方でも、中々作られていないものです。
ですので、ホワイトチョコレートにする方も居ます。
グラスアローよりは溶けませんが、暖かい時期はもちろん駄目です。
チョコレートは、溶けるとか以前に、甘いですからね。味も強いし。
もはや、レモンチョコケーキになってしまいます。
というわけでトゥルモンドでは、溶けないグラスアローで、コーティングすることにしました。
これは、めったに見かけませんね。
これのおかげで、シャリシャリとした食感がいつでも味わえ、シュガーの程よい甘さと、キュンとするくらいのレモンの酸味が、とてもよい調和を生み出しています。
レモンケーキは、東京でも意外と見かけないですし、味も他店には絶対に負けない。
範囲を「ケーク オ シトロン」にまで広げても、トゥルモンドのレモンケーキ「リモーネ シチリアーノ」には、中々勝れるものはないでしょう。
あまりに自慢したく、ご自宅仕様のものまで作って、オンラインショップでも取扱い始めました。
ぜひ一度食べて、皆さんの中でレモンケーキブームが始まる事を、願っています。