『アンパクト』(テキーラ・マロン・バニーユ) 1
2016/03/18
『アンパクト』
・ラム酒が入った、ミルクチョコレートのクリーム
・テキーラが入った、バニラのバヴァロワーズ
・柔らかいチョコレートのスポンジ
・テキーラを軽く入れた、マロンのムース
自家製マロンコンポート入り
・マロンのクレームダマンド
使用するテキーラ
このガトーを創るきっかけとなったのは、
イメージを覆すテキーラを紹介されたからです。
テキーラというと、アルコール度数の強い、
男性的なお酒のイメージがありませんか?
それは、流通している比較的安いテキーラが、
テキーラの原料の「アガベ」が半分、
残りを穀類アルコールなどを添加したものが多く、
それらは、アルコール臭が残るような、低品質だからだそうです。
「J.M.テキーラ エクストラ・アネホ(宏洋株式会社)」は、
原料にアガベ100%使用したものだけが呼称できる、
プレミアム・テキーラ。
さらに、通常の熟成が2ヵ月~1年のものを、
ホワイトオークの樽で3年の歳月をかけて熟成される、
エクストラ・アネホという最上級のカテゴリーのもの。
従来のイメージとは全く違い、
華やかに香り、品の良い伸びと味わいを実現しています。
テキーラ×マロン×バニラ・卵
このテキーラをお酒で表現すると、
ラムより華やかで、アマレットよりキレがあるような感じだと思っています。
ここから菓子に当てはめると、
ラムの代わりに使えば、菓子が明るくなり、
アマレットの代わりに使えば、甘ったるさが無くなります。
そこで今回は、
栗(マロン)とバニラ・卵を、テキーラと合わせることにしました。
テキーラをしっかり利かせる
テキーラの味をイメージできる方は少ないのではないでしょうか。
強いお酒のイメージから、
ジンやウォッカなどを想像してしまう方も、いらっしゃるような気がします。
良く知られている、ラム、ブランデーとも、
コアントロー、グランマルニエとも違います。
ということで、一般的に良く知らない訳です。
ですので、比較的多めに配合してあげた方が、
ちゃんと訴求することができます。
アルコール度数も40%で、ラム酒やブランデーでおなじみの度数なので、
使いやすいですね。
アルコールを食べさせる訳ではない
とはいえ、サヴァランやブランデーケーキくらいまで、
アルコール度数を高めする必要はありません。
(そういうイメージのガトーを創っても良いのですが。)
ガトー全体を、同じアルコール度数に調整するより、
強めの部分を作ってあげる方が、食べるときに変化が出ます。
マロンムースは約1%。
バニラのバヴァロワーズは約4%になるように配合しています。
どちらが多く口に入るかで、感じ方が異なります。
ちなみに、表面にミルクチョコレートのクリームを絞ってあるのですが、
こちらは、ダークラムを配合しています。
こちらも変化ですね。
まとめ
このテキーラは、新しい可能性を秘めています。
キルシュやコアントローやグランマルニエのような使い方も、
十分可能ですし、全く違う表現が出来ます。
次回は、このガトーの他の構成を、掘り下げてみてみたいと思います。