パティシエ 坂下寛志 Pâtissier Sakashita Hiroshi

【プロレシピ】『アール(リンゴのタタン)』を公開しました。

   

_MG_4790『アール(リンゴのタタン)』のレシピを、noteで公開しました。
公開レシピ一覧

・リンゴのタタン
・バニラのバヴァロワーズ
・くるみのビスキュイジョコンド
・シナモンのシュトロイゼル
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タルトタタンをひとつのパーツとし、プチガトーに仕立てた一品です。

構成は、タタンとバヴァロワとジョコンドに、アクセントのシュトロイゼルとシャンティ。
複雑ではない構成です。

個人的には、多層にするケーキ作りは、好きではありません。
こういうシンプルな構成は、いわゆる「引き算」に近い組み立てになります。

しかし、ひとつひとつがしっかり主張しないと、味が成り立ちません。
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タタン部分は言うまでもなく、しっかりとした味わいです。
紅玉なので、酸味も強いですし、食感を残すような焼き方をしているので、ぐずぐずもしていません。

それに合わせるバヴァロワーズは、酸味を和らげつつ、乳・卵の味わいを付加します。
また、バニラは、通常の2倍量を加えています。
さらに、8年熟成された、まろやかなラム酒も加えています。

ビスキュイジョコンド部分も負けていません。
くるみを焼いて、皮ごと細かくしたものを、上に振り掛けるのではなく、生地に練り込んで焼いています。
しかも、厚めのジョコンドです。
ですので、生地の美味しさに、くるみの食感と味わいを楽しめる部分です。

シャンティ、シュトロイゼルは、アクセントの役割です。
シュトロイゼルは、サブレよりも、もっとカリッとした食感もあるのが特徴です。
シナモンをたっぷりいれて、このシュトロイゼルを食べた時だけ、スパイスを感じさせています。
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「引き算」は、色んな色を使わず、はっきりとした濃い色で、描くものだと思っています。
使用する色の数を減らせばよい、というものではありません。
薄い色では、ぼやっとした絵にしかなりません。

ガトーのサイズとしては、とても小さい商品ですが、むしろこれ以上は要らない、という強いインパクトのガトーです。

【合わせて読みたい】
『アール』(タタン・バニーユ・くるみ)

レシピの最新版を公開しています。

https://note.mu/sakashita

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